第36話「本気出していこう」
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ばさらの森武闘会。Aブロック準決勝が始まろうという頃。 元親「やーれやれ。とんでもねェ目に遭ったな。あのまま会場にいたらぶっ飛んできた石壁やら何やらに巻き込まれて怪我しちまうとこだ」 政宗「お前がそんなタマかよ」 元親「俺はデリケートなんだよォ! それより、テメエらはこれからどうするんだ? あぁ、政宗には訊くまでもねェが、幸村、お前は?」 幸村「そ、某でござるか?」 政宗「おい、何で俺には訊くまでもねーんだよ」 元親「アァン? テメエはこれからどうなんのか、大会主催者ンとこ行くだろうがよ」 政宗「何で俺がンな事しなくちゃならねーんだ」 元親「……お前、もしかして気づいてねーな?」 政宗「んん?」 佐助「そんな事だろうと思って、俺サマが訊いてきてあげたよっと!」 幸村「佐助! お前、今まで何処へ行っていたのだ?」 佐助「そりゃあ、かすが親衛隊の奴らを撒いたり、かすが親衛隊からの執拗な攻撃を避けたり、かすが親衛隊からの不幸の手紙の処理したり…って、俺サマの事はどうでもいいでしょが! 色々だよ、色々!」 政宗「それで、俺の代わりに何を訊きに行ってくれたんだ?」 佐助「あのねえ、次は独眼竜の旦那の試合でしょ! Aブロック準決勝! 伊達政宗vs浅井長政!」 政宗「は?」 幸村「なな何と! 次は政宗殿の試合でござったか!」 元親「お前も忘れてたのかよ。大丈夫か、テメエら」 佐助「武舞台がこんなコトになっちゃったからね。昨日みたいに、ちょっと破損したところを修復するってレベルじゃないから、試合延期か闘技場変更か。その御伺いを立てに行ったってワケ」 政宗「そうか、悪かったな。で? 俺はどうすりゃいいんだ?」 佐助「試合は続行。違う場所で大会を続けるってさ」 元親「違う場所ォ? そんなもん、すぐに用意出来んのかよ?」 幸村「あ! もしやあの場所を…!?」 佐助「ご名答」 政宗「あの場所?」 佐助「本来はトーナメントの決勝で使う第二武舞台だよ。ここより規模もでかくて、いろんな仕掛けが楽しめる」 政宗「仕掛けェ? また面倒そうな予感だぜ…」 佐助「準決勝までは普通に使用するって言ってたけどねえ? それより、さあさ、移動したした!」 元親「俺は政宗ン家に行って元就を連れてくるぜ。あいつだってもうすぐ試合なのに、もしかしてまだ寝てるかもしれねえからな」 佐助「ん、分かった。じゃあ、小十郎さんたちの様子も見てきてよ。特にパンダさんの方は脱皮したばっかりで、怪我の様子も気になるし」 元親「怪我!? 何だよ、あいつ何かあったのか?」 政宗「武田の忍、悪ィな。お前がそんな心配してくれるなんざ、思わなかったぜ」 佐助「へへへ〜。俺サマ、独眼竜の旦那よりは片倉の旦那たちの方が好きだからね」 政宗「ケッ、言ってくれるぜ」 幸村(そうだった…。俺ももうすぐ試合…! 元就殿と、闘うのだ…! 政宗殿の、大切なお方と…!)←勝手に暴走中 そして場所は移り変わって、第二武舞台。 周りを湖に囲まれた水の闘技場。その周囲をぐるりと観客席で取り囲み、その周辺は鬱蒼とした森、森、森。まさにどうぶつの森の戦いの場としてふさわしいロケーションである!(※どう森には森しかありません基本的に) 政宗「当たり前だが、ギャラリーが全然いねえな。おい、もっと宣伝してから試合再開した方が、スポンサー的にはいいんじゃねえのか?」 審判「スポンサー的に、人間界のテレビでも放送されている今大会はスケジュールがずれると色々と大変な事になるのです。だから強引にでも先に進めねばなりません」 政宗「Really!? 人間界でテレビ放送だ? こりゃ驚いた…」 浅井「ええい、何をごちゃごちゃと話しておる! 審判ッ! 貴様、中立の立場において、対戦相手の一人と無駄口を叩くなど何事かッ!」 審判「ひっ! 申し訳ありません! それではこれよりAブロック準決勝第二試合! 伊達政宗vs浅井長政の試合を執り行う! 始めえっ!!」 観客「わーわーわー」←人数が多くないのであんまり声が大きくない 浅井「独眼竜・伊達政宗ッ! ヒトの分際でこの神聖なる森を闊歩する悪! このカモシカの浅井長政が成敗してくれる!!」 政宗「お、そういや、アンタ。嫁さんは無事かい? さっきはまだ意識が戻らないと聞いたが?」 浅井「む…むむ! 市の事を持ち出して私を動揺させようという腹だろうが、そうはいかん! 私はそんな卑怯な手には乗らんぞ! でいやあ!」(次々と鋭い攻撃を続ける正義カモシカ) 政宗「単純に心配してやってるだけだろうが」(攻撃を軽くかわす政宗) 浅井「なぜ貴様が市の心配をするうっ!?」 政宗「うおっと、危ねえ。んなムキになんなって。アンタの嫁さんとは一度話をした事があるんでね。肉食の女を嫁に貰うたあ、アンタも結構度胸あるじゃねえか。どんな奴なのかと思ってたんだぜ」 浅井「黙らぬかあ!!」 政宗「アンタ、こんな大会に出てないで、嫁さんの傍にいてやれよ」 浅井「何を、貴様に言われる筋合いはない! 私は! この大会に優勝し! 勝ってこの森の支配者となる! そこで市と幸せに暮らすのだあ!」 政宗「あの女がアンタに支配者なんてもんを望んでいるとはとても思えねえけどな」 浅井「市は私の言う事に逆らいはせぬ! 私の意志こそ市の意志だ!」 政宗「やーれやれ。アンタみたいな亭主関白にはなりたくねえもんだ」 浅井「むっ!?」 政宗「嫁さんはソフトに扱ってやるもんだぜ」(強烈な一撃!!) 浅井「ぐはあっ!!」 審判「ダウン! 独眼竜の一撃により浅井長政選手ダウンです! カウントに入ります! 1,2…!」 浅井「な、何のこれしき…! まるで効かぬわ…!」(ぐぐぐと立ち上がろうとするカモシカ) 政宗「アンタの野望は勝手だがな。こんな危険な大会に嫁さん出場させるたあ、どういう了見だい? おまけに…あんな魔王がいるこの危険な大会」 浅井「削除してやるあぁー!!」(立ち上がりざま政宗に攻撃を仕掛けるカモシカ) 政宗「……こっから先はマジでやばいぜ」 浅井「………ッ!」 審判「!?」 佐助「ありゃ。何か、レベルが違うみたい」(湖を囲む観客席の一角から見物している佐助と幸村) 幸村「な…何だ、今の攻撃は…!?」(目は良いくせに佐助の望遠鏡使用中) 佐助「それに…何だかやっこさん…」 浅井「が…は…」(政宗から何らかの攻撃をされたらしく、ばったりとその場に倒れるカモシカ) 審判「……ッ! 試合続行不可能! 勝者! 伊達政宗選手!!」 観客「どわああああああ!!!!!」←いつの間にか集まっていた大勢の観客 政宗「半端な強さじゃあの魔王のオッサンには到底敵わねえ…。この俺も…」 幸村「政宗殿…。あれほどの強さを誇りながら、何故あのようなお顔を…?」 佐助「さあ。けど、どっちにしろ奴さん、どうやら火がついちゃったようだ。旦那? 旦那も、独眼竜に続きなよ? その為の大会なんでしょ?」 幸村「……っ」 順当に勝ち上がる政宗。 それに対し、幸村は…!? 次回に続く!! |
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つづく |