第4話「リベンジ!」
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幸村「きょ、今日こそ…! 今日こそあの男に言ってやるぞ! お館様を差し置いてこの甲斐に邸宅など構えるなと!」 佐助「やめときゃいいのに」 幸村「何ッ!」 佐助「だーって酷い言い掛かりなんだもん、この前も言ったっしょ? それに。その人、結構イイ人じゃん」 幸村「イイ人!? 何故だ!?」 佐助「だって旦那に美味しいスイーツくれたんでしょ。何者かも知れない、見た感じ喧嘩売る気満々の旦那にサ」 幸村「うぐっ…」 佐助「でもって見事に懐柔されちゃったし」 幸村「されてなどいないッ! だから…今日こそはっきり言ってやるのだ!」 佐助「あっそ。じゃ、行ってらっしゃい」 幸村「……お前は来ないのか、佐助」 佐助「はあ? 何で俺サマがそんな恥ずかしい真似一緒にしなきゃなんないのよ〜。お断りッ」 幸村「さ、佐助、貴様…!」 佐助「まあま。もしも旦那が返り討ちに遭った時は、怒り心頭で乗り込んでいきますからって」 幸村「お、俺はやられん!」 佐助「分かった分かった。ならさっさと行ってきて。俺サマ、まだ家事終わってないからね」 幸村「……で、では行ってくる!」 佐助(……旦那。単にその男が気になるだけなんじゃないのかねぇ?) |
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第5話「何となくの流れでこんな事に…」
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幸村「あ、あっという間についてしまったぞ…」 政宗「よう」 幸村「はっ! で、出たなッ!」 政宗「そりゃ出るさ。ここは俺ン家の前だ」 幸村「何故こうもタイミング良いのだッ!」 政宗「はぁ? んな事言われてもなあ。お前がこの間来たのと同じくらいの時間だからじゃねーか?」 幸村「きょ、今日も花の水やりか…?」 政宗「Yes! 今家に誰もいねーからよ。とりあえず家ん中の事は全部自分に回ってきちまうんだよな」 幸村「か、家族は…?」 政宗「いねえよ」 幸村「!」 政宗「あ。別に死んでねーぞ? 別々の所に住んでるってだけだ。だから、アンタがそんな悲しそうな顔する事はねえよ」 幸村「なっ…。そ、某は別に…!」 政宗「何人か手伝いは来る予定なんだけどな。ちょっとした手違いで遅れてるんだよ。お陰で荷物が全然片付かねーぜ」 幸村「片付けが……」 政宗「あ、そーだ。アンタちょっと手伝ってくれねえ? 力ありそうだし、ちっと動かしたい家具あるんだよ。駄目か?」 幸村「な…そ、某が…? し、しかし某は貴殿を…」(←追い出しに来たとは言えない) 政宗「お礼に美味いもん食わせてやるよ。この間のよりスペシャルなのがあるんだよなー」 幸村「! こ、この間のより、でござるか?」(キランと目が光る幸村) 政宗「そうそう(笑)。来るか?」 幸村「……こっくり」(強く頷く) 政宗「よっしゃ、決まりだな」 佐助「……やっぱ飼い慣らされてるわ」←様子を見に来てた人 |
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第6話「そしてまた…」
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政宗「いやー、助かったぜ。サンキューな!」 幸村「いや…この程度。随分とすっきりした部屋でござるな。このように広い屋敷なのだから、もっと色々な荷物があるかと思っていました」 政宗「あんまごちゃごちゃしてんの好きじゃねーんだよ。それより、ほら」 幸村「こ、これは…!!」 政宗「約束の報酬。俺が作った特性餡蜜だ。白玉にゃ黒蜜たっぷりかけといたぜ。アンタ甘いの好きなんだろ?」 幸村「す、好きでござる!」 政宗「はは、この間の様子見りゃ一発だよ。まー遠慮せず食ってくれ。まだまだあるからな」 幸村「お、お一人なのにそのように作られたのでござるか?」 政宗「ん? ははは、いや。実はな、それアンタの為に作ったんだよ」 幸村「そ、某の為に?」 政宗「ああ。この間、スゲー美味そうに食ってくれただろ? だからな」 幸村「………」 政宗「お、そういやよ。俺ら、まだ自己紹介もしてなかったな? 俺は奥州から来た伊達政宗だ。政宗、でいいぜ」 幸村「政宗、殿。そ、某は真田幸村と申す」 政宗「幸村か! 宜しくな、幸村!」 幸村「………こ」 政宗「あん?」 幸村「これ……物凄く美味しいでござる」 政宗「は? あー、ははは、そうか! まだまだあるぜ? そうだ、夕飯も食ってかねーか? どうにも一人っきりの飯ってのは侘しくてよ」 幸村「い、いいのでござるか?」 政宗「勿論だ。こっちで出来た初めてのダチだからな、歓待するぜ」 幸村「……っ」←罪悪感放出中 佐助「ほーらね。こうなると思ってたよ」(屋敷外の木の上から観察) |
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つづく |