11月14日(水)〜クレープとあやしいアイツ〜


龍麻「………冗談はよせよ」(大汗)

佐久間「ななな何だコラ、オラ! ままま、待ちやがったか、この野郎…ッ!!」(緊張で顔が引きつっている)

龍麻「待ったよ、めいっぱい! 人を呼び出しておいて三十分も待たせるなんて、何考えてんだ【怒】!」

佐久間「……ッ!?」(お、おかしいぞ。焦らして気を引く作戦だったってぇのに! 緋勇の奴、機嫌悪くなってやがる!)←最悪の作戦

龍麻「ったくホント、頭くる! 何で俺がこんなくだらない企画に協力しなきゃならないんだ!!」(ぷんぷん!!)

佐久間「お、おい緋勇……」


龍麻「あ? 何だよ! 言っておくけどな、俺はこれからどっか遊びに行くとかヤだからな! ここでちゃっちゃと済ませようぜ」


佐久間「な、何ィ!? こんなシケた公園でかよ!?」(俺のいろいろなデートプランが…ッ!!)


龍麻「知らないよ。出発点はこの公園って決まってるらしいから。でも俺の機嫌が悪い場合は移動しなくていいって遠野が言ってたぜ」


佐久間「……あのブンヤめ…!!」(ギリギリ)

龍麻「は〜あ。早く1日終わらないかなあ」


佐久間「う…う…(混乱)。………ハッ!!」(あるものが目に付いたらしい)


龍麻「ん? 何だよ、どうかしたか?」


佐久間「ちょ、ちょっとそこで待っとけ、この野郎! 何処へも行くんじゃねェぞ!!」(ダダダッ!!)


龍麻「……どうでもいいけど、あいつすごまずにはいられないのか?」(疲弊)


佐久間「待たせたな、緋勇! ほらよ!!」(さっと買ってきたものを差し出す佐久間)


龍麻「………何? クレープ?」


佐久間「おう! お前、甘い物好きだろうが!!」(やや赤面)


龍麻「……まあ……好きだけど。よくそんな事知ってたな」


佐久間「バカ野郎!!」


龍麻「わっ!! な、何だよ…?」


佐久間「俺がお前の好きな物を知らないわけないだろうが! ほ、ほ、ほほほほ……」(既にお顔はゆでダコ状態)


龍麻「ほ? 何だよ『ほ』って?」


佐久間「……う…うるせえッ!! 惚れた奴の好きなモンくらい、知らねェでどうする!!」


龍麻「!!! な、なな何急に馬鹿な事言ってんだよ…!」(のけぞる龍麻)


佐久間「〜〜!! いいから受け取れッ! チョコバナナとイチゴのやつがあるぞ! どっちがいいんだ!?」


龍麻「……お前、あそこのクレープ屋で買ってきたの?」(遠くに停まっているクレープ屋を眺めながら)


佐久間「そうだ! お前がここから動かねェって言うなら、仕方ねェだろ!!」


龍麻「……ぷっ。あそこ、女子高生ばっかじゃん。よく行ってきたなあ」(にっこり)


佐久間「……!!」(かーっと再び赤面の佐久間)


龍麻「貰うよ、それ。俺、チョコのがいいな」


佐久間「お、おう! 受け取れ!!」


龍麻「サンキュ。お前も座れば?」(ベンチの隣を指し示す)


佐久間「お、おおおおう! 勿論座るぜ、この野郎!!」


龍麻「な〜に、固くなってんだよ? 似合わないぜ?」


佐久間「バ…ッ! だ、だだだ誰がかかかたかたかたたた…ッ」(最早人間語じゃない)


龍麻「うーん。ところでさ、佐久間」

佐久間「な、何だ?」(どきどき)

龍麻「お前の気持ちは嬉しいんだけどさ。確かに俺、甘い物すっげえ好きなんだけど」


佐久間「???」

龍麻「実は俺、クレープだけは駄目なんだよな」

佐久間「あ…アン!?」(仰天)


龍麻「研究が足りないなあ。でもま、これは食べるよ。折角だから」


佐久間「……おい、ちょっと待て……。お前、それ、ホントか…?」(汗だらだら)


龍麻「ホント。でもいいよ。今日は面白いもの見れたから。じゃあな、佐久間! 俺もう帰るから! バイバイ!」(去って行く)


佐久間「………まだ……30分も経ってねェぞ……」(ぼたぼたとクレープのクリームを落とす茫然佐久間であった)



アンコ「……ま、一番手なんてこんなものよね」(植木の茂みから)



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