11月15日(水)〜白球を求めて〜


龍麻「………あ、今日はお前か。待った?」

紅井「オッス、師匠! へへ〜全然! 俺、師匠と久しぶりですっげ〜嬉しいぜ!」(壁当てをして待っていた紅井)

龍麻「ん…そういえばそうかもな。ところで何? お前はクジで2番だったのか?」

紅井「あ、そうそう、そうだったんだよなッ! 師匠とこんなに早く会えたのはラッキーだけどさ、どうせなら俺ッち、1番が良かったな!」

龍麻「ははっ。お前らしいな。ところで今日は何して過ごすつもりだ? ま、お前の事だから野球観戦とか?」

紅井「ああ〜そう言いたいとこだけど、今はもうドラフトの時期だぜ、師匠。プロ野球は終わってるんだよ」


龍麻「あれ、そうだっけ」(野球全然興味なし)


紅井「へへ、でも安心しろ、師匠! 俺ッちが今日のために、最高の遊び場を考えてきたから! 俺っちの行きつけ!」(得意満面)


龍麻「行きつけ〜!? な、何かヤな予感するなあ…。あ、あとお前! 俺、ヒーローショーとかヤだからな! 屋上のデパートとかさ」


紅井「ええ〜!? そ、そうなのか!? 何でだよ、すっげー楽しいのに!!」

龍麻「…………」(冗談で言ったのに、本気でそこだったのか)


紅井「うう〜。……でもま、いっか! じゃあよ、師匠! その次くらいの行きつけに連れてってやるよ!」


龍麻「え? まだあるのかよ、行きつけ」


紅井「おう! ここってすっげーストレス解消できんだぜ! さ、そうと決まったら行こうぜ、師匠!」(龍麻の手を引っ張り、公園を出る)


龍麻「こ、こら、急に引っ張るなって!!」(しかしコイツにストレスなんかあるのかよ…?)



―移動後―


龍麻「…へえ。バッティングセンターね」(う〜ん、なるほど)


紅井「今日は俺っちの奢りだからな! 好きなだけ打っていいぜ! おーい、おっちゃん! 140キロのボックス開けて〜!」


龍麻「ちょっと待て(焦)!! いきなり140って俺はドカベンじゃないぞ!!」


紅井「え〜師匠なら打てるって! ホームラン賞とか取ると豪華商品が貰えるんだぜ! ちなみに俺っちはいっつも145に調整してもらってやってるんだぜ!!」(えっへん)


龍麻「マジで!? お前、やっぱヒーロー名乗るだけあってすごいんだな〜」(ちょっと尊敬)


紅井「へへッ! ま、そんな事はいいから、入った入った」(龍麻を無理やりバッターボックスに押しやる)


龍麻「もう、強引な奴だなあ…。でもま、いっか!」(バットを構え、マシンがボールを放つのを待つ)


紅井「師匠〜!! 慣れてきたら勝負しようぜ〜!! 10球中何本ヒット打てるかッ!!」(隣のボックスに入る紅井)


龍麻「よ〜し、OK!! お前、負けたら飯奢れよ!!」(既に乗り気の龍麻)



―1時間後―



龍麻「ひえ〜疲れた〜。俺、遊びでこんな動いたの、めちゃくちゃ久しぶりかも」


紅井「ほい、師匠、スポーツドリンク! しっかし、オヤジみたいな事言うな〜師匠は。まだまだ俺っちたちは遊び盛りじゃんか!」


龍麻「あ、サンキュ(ドリンクを受け取って)。 でもなあ、俺ら、いっつも戦闘ばっかで遊んでる暇なんかないじゃんか。せめて暇な時くらいぐうたらしてたいって思うのがフツーだろ?」


紅井「…ヘヘッ」(龍麻の顔を見てニッと笑う)


龍麻「………? 何だよ?」


紅井「でもよ。師匠、すっげ〜楽しそうだったぜ? それに、スッキリしただろ?」


龍麻「!! ……そう言われれば…そうかもな」


紅井「だろ?」


龍麻「……うん。それに最近、何か妙にあやしい奴らに取り囲まれて、こんなに健全に誰かといたことなかったかも」(かわいそうな発言)


紅井「ハハハッ!! 師匠、俺っちは難しい事は分かんないけどさ、とにかくもやもやしてたら俺っちに言えよ! 絶対俺っちが何とかしてやっから!!」


龍麻「え……う、うん。サンキュ」(焦)

紅井「何てったって、師匠は俺ッちの大事な人だもんな!」(豪快に)

龍麻「じゃ、じゃあさ……」


紅井「んー? 何だよ?」

龍麻「さっきの俺の負けた分、チャラにしてくれるか? 夕飯は割り勘ってことで」

紅井「師匠! それはヒーローとして容認できねえなッ! 約束はきっちり守ってもらわないと!」


龍麻「ええ〜やっぱ駄目かよ〜。そこを何とかッ! な、な?」


紅井「だ〜め! 師匠、往生際が悪いぞ! 男と男の勝負だったろ!」


龍麻「ちぇ〜。分かったよ。な、じゃあさ。また来ようぜ!! 俺、次こそはぜって〜勝つから!!」


紅井「おう、望むところだ! いつでも受けてたつぜッ! ……へへ、師匠、俺今、すっげー嬉しいぜ!!」



アンコ「……何てフツーの会話なのかしら……。つまらん」(自販機の陰に隠れながら)



戻る