12月 9日(日)〜のどかな日曜日〜 |
紗夜「龍麻さん!」(ベンチから嬉しそうに立ち上がる) 龍麻「あ、比良坂さん」 紗夜「えへへ…。龍麻さん、来てくれたんですね。私、嬉しいです!」 龍麻「今日は比良坂さんなんだね。待った?」 紗夜「いいえ、ちっとも。私が早く来過ぎちゃっただけなんですから、龍麻さんは気にしないで下さいッ!」 龍麻「あ、う、うん。それにしても…何だかこういうのって初めてだよね?」 紗夜「え? 何がですか?」 龍麻「え、えーと、だからこういう風に2人で話したりするのって。ここのサイトって俺に絡んでくるの、何か男が多いし」←だってここはホ○サイト 紗夜「龍麻さんは……そういうのの方が好きですか?」(ちょっと不安そう) 龍麻「え!? な、何言ってるんだよっ。そんな事ないって! 俺は至ってノーマル! こうやって比良坂さんとか、女の子と一緒にいる方が断然好き! 断然楽しい!!」 紗夜「……クスクス。冗談です、龍麻さん。そんな一生懸命言わなくたって」 龍麻「え……。ま、まったく、比良坂さんもひどいなあ。俺、この手の話に敏感なんだからやめてくれよ」 紗夜「はい。それじゃ、今日は良かったらずっと私と一緒にいて下さいね!」(にこっ) 龍麻「う、うん。それは勿論だよ。(……やっぱり女の子は可愛いなあ……)」 ―移動後― 紗夜「龍麻さん! こっちです、早く!」(楽しそうに先を歩き、振り返って手を振る紗夜) 龍麻「はは、比良坂さん、そんな急がなくたって。動物園って珍しい?」 紗夜「はい! 私、こういう所って昔っから憧れだったんです。小さい頃は親戚の家にお世話になっていたし、何処かへ連れて行ってもらう事ってなかったし……」 龍麻「あ…ご、ごめん、俺…ッ!」 紗夜「あ、いいえ! 私、すごく楽しいんです! 動物園も、いつか……こうやって龍麻さんみたいな素敵な人と2人で来るのが夢だったから……。だから今、とても嬉しいんです!」(ぽっと恥ずかしそうに) 龍麻「そ、そんな、照れるなあ」 紗夜「龍麻さん! ほらあれ! 可愛いお猿さん!」(猿山にいる猿たちを指しながら) 龍麻「あ、うん。そうだね。あ、あれ、ボス猿かな? 随分いばってんなあ」 紗夜「あ、でもあの猿、メスみたいですよ」←何故分かる、紗夜! 龍麻「え、そうなの? いやあ…しかしかなりグループの中で幅利かせてんなあ。周囲のあの猿たち、結構恐れおののいて敬ってるって感じ」 紗夜「いわゆる女帝ってやつですね。誰かさんみたいですね!」(何やら楽しそう) 龍麻「は?」←分かってない 紗夜「あ、龍麻さん! あっちにはゾウさんもいます! 行きましょう!」(龍麻の手を引っ張り、向かいの柵を指し示す) 龍麻「あ、うん。……って、あれ?」(ゾクッ) 紗夜「?? 龍麻さん? どうかしましたか?」(きょとん) 龍麻「あ、いや…。ただちょっと、誰かに見られているような気がして…」(きょろきょろと周囲を見渡す) 紗夜「誰かが? あ、それって遠野さんじゃないでしょうか。龍麻さんとのデートの様子って、逐一チェックしてるって言ってましたから」 龍麻「いや、あいつの氣じゃないなあ…。何かもっとねばっこい感じの…」 紗夜「……まさか美里さんが?」(無意識に殺気を放ち出す恋する乙女) 龍麻「え? いや、美里じゃないよ。美里はこんな氣じゃないもん。何ていうかその……」 紗夜「はっ!!」 龍麻「えっ? ど、どうかした?」 紗夜「な、何でもないですッ! いいから龍麻さん、早く行きましょう!」(何やら突然焦り出す紗夜) 龍麻「え? う、うん…って、わっ! そ、そんな急に引っ張らなくてもー!」 ―触れ合い広場・ポニーやうさぎがいる場所まで来て― 龍麻「はあはあ…。ど、どうしたの、比良坂さん…。こんな急に全力疾走しちゃって…」 紗夜「ご、ごめんなさい、龍麻さん……」(悲しそうに俯く紗夜) 龍麻「え、あ、いや別にいいんだけどねっ。でもどうかしたのかなって思って。まだ他の動物も見てなかったのに」 紗夜「龍麻さん…ッ!」(突然龍麻の両手を握り締めて懇願するような瞳を向ける紗夜) 龍麻「ど、どうしたの…!?」 紗夜「あの…その…私、龍麻さんに言わなきゃならない事があって…その……」(もじもじ)←でも握った手は意地でも離さない 龍麻「何…? 何か大事な事?」 紗夜「いえ、その…。そういうわけではないんですけど……。でも龍麻さん、今日は私と一緒にいてくれるんですよね?」 龍麻「え。あ、うん。そうだけど?」 紗夜「本当ですか? …良かった。実はあの…来てるんです……」 龍麻「え? 誰が…??」 死蝋「僕がだ」(突然龍麻の背後に現れるマッドサイエンティスト) 龍麻「うわあっ! び、びっくりしたー!!」(突然の事にのけぞる龍麻) 死蝋「ふう。やっと追いついたか。苦労したよ。しかし念の為、紗夜に発信機をつけておいて正解だったな」 紗夜「ひどいわ、影司兄さん…! ずっと私たちの後をつけてきてたのね…!」(怒りと哀しみをこらえるように) 死蝋「ひどいのはお前さ、我が愛しの妹よ…」(ふうやれやれ、というように両肩を上下させる死蝋) 龍麻「あの、一体…?」 紗夜「何でもないんです、龍麻さん! 兄さん! 龍麻さんは今日は私と一緒にいてくれるって約束してくれたの! だから邪魔しないで帰って!」 死蝋「邪魔だと? ……ふう、全くお前って奴は……。しかし、紗夜。お前はさすがに僕の妹だよ。この僕の完璧な尾行に逸早く気づいて逃げようとするとはな」 龍麻「じゃ、じゃあ、さっきからの気配って…貴方だったんですか」 死蝋「ああ、そうだよ。緋勇君、君もいい加減平和ボケしすぎなんじゃないか。この僕の熱い視線に全く気づかないとは」 龍麻「いや、気づかなかったわけじゃ。ただ殺気じゃなかったし…。でもその熱い視線って(汗)?」 死蝋「フッ…それはね…」(龍麻にずずいと接近し、顔を近づける死蝋) 紗夜「ちょっと、兄さん! やめて【怒】!!」 龍麻「……(汗)。あの、比良坂さんが心配で後ついて来ちゃったのは分かりますけど、デートって言ってもただこうやって遊んで話してるだけだし」(じりじりと後退しつつ) 死蝋「ん…。僕は別に紗夜の心配なんかしてやしないがね」 紗夜「に、兄さん! だったらもう行って! ひどいわ、今日は私と龍麻さんとの日なのに!」 死蝋「馬鹿を言うな、紗夜! さっきから言わせておけば! 今日はもとからのクジで言えば僕と―」 紗夜「キャー! 兄さん、危なーい! ♪ラソソ〜♪」(ゴウッ!!)←こんな音かは知りません 死蝋「うぎゃああああーッ!!」←消滅 龍麻「………」(呆気) 死蝋「さ、紗夜ォ…ズルイぞォ〜お前ばっかり〜」←消滅してなかったらしい 紗夜「(完全無視) 龍麻さん! 敵です! 黒髪の悪魔が襲ってきます! 早く逃げなければー!!」(がっしと龍麻の手首を掴み、ずるずると引きずって行こうとうする紗夜) 龍麻「あ、あの…?」(流されるままに引きずられる龍麻) ―動物園・外― 紗夜「龍麻さん、怪我はないですか!? ここまで来ればもう安心ですっ!」(植木の陰に龍麻を連れ込み、きょろきょろする紗夜) 龍麻「いや、俺は全然平気なんだけどね。それより、お兄さんが焦げてたみたいだけど、そっちの方が―」 紗夜「ああっ…。兄さんは私たちを護る為に身を呈して…っ」(よよよと俯く) 龍麻「いや、攻撃してたのは比良坂さんだったような……」 紗夜「龍麻さん…っ! 私、怖いんです…っ!」(がばりと龍麻に抱きつく紗夜) 龍麻「へ? な、な何が?」(抱きつかれてどうしていいか分からず、オロオロする龍麻) 紗夜「龍麻さんはとっても綺麗だし…性格も真っ白で穢れがなくて…。いつどんな悪の手が貴方の事を汚そうとするか、私本当に気が気じゃじゃなくて…」 龍麻「え、ええ? 俺?」 紗夜「本当は私、こんなデート企画、今すぐにでもやめてもらいたいんですっ! そ、そしてできる事なら私と一緒に逃げてほしいんです! でも龍麻さんはきっとそうしない。……できないんですよね。だって貴方はとっても優しい人だから」 龍麻「ひ、比良坂さん…。そんな風に言われると……」 紗夜「だから私…! せめて今日だけは貴方の事を護ります! 兄さんからも! あの悪魔からも! だって私は貴方のためだけに生き返った存在なんですから。だから、龍麻さん…。私が貴方の傍にいる事を、許してくれますか?」 龍麻「比良坂さん…」 紗夜「………」(真摯な眼差しの美少女モード) 龍麻「比良坂さん。君は女の子なのに、俺を護るなんておかしいよ。でも、その気持ちはすっごく嬉しいよ。だから今日は……何だか変な事になっちゃったけど、これから2人でおいしい物でも食べに行こうか?」(にこっ) 比良坂「……っ! 龍麻さん…! はいっ! 私、すごく嬉しいです!」(満面の笑み) 龍麻「ははっ。比良坂さんって、本当に可愛いね。女の子の鑑だ」 死蝋「ううう…。紗夜め…自分はクジ外れたくせに、僕のを横取りするなんてひどいぞ…」(ズタボロになりながらそれでも2人を追いかけようとする情けない兄) アンコ「……比良坂さん、さすが美里ちゃんの永遠のライバルなだけあるわ…。見事に龍麻君を騙しきっている」(感心)←動物の着ぐるみを纏いつつ |