「雨」
〜本日の登場者:九角天童の特典♪〜


九角「おい、龍麻。お前、いい加減起きやがれ」
龍麻「んあ…? あれ…俺、眠っちゃったのか…?」
九角「あァ。ったく、ぐーぐーぐーぐー緊張感のねェ奴だぜ」
龍麻「ふわあ…。だって何かすっごく気持ち良かったからさ…」
九角「………フン」
龍麻「天童、お前ずっとこうやっててくれたのか?」(龍麻は九角に後ろから抱きしめられた格好で眠っていたようだ)
九角「お前が思いっ切り寄りかかってきやがるから、腕が痺れた」
龍麻「ん〜えへへ…悪い」

九角「ちっとも悪いって顔じゃねェな」
龍麻「でもさ、天童の歌を聴いていたらすごく力が抜けて…。何か落ち着いたから」
九角「お前、途中で寝てたじゃねェか」
龍麻「だから気持ち良くなって眠っちゃったんだって。何だよ、怒った、天童?」
九角「フン。ガキの子守なんぞさせられて、気分がいいわけねェだろうが」
龍麻「な、何だよ、子守りって…! またそんな馬鹿にしたような事言って!」

九角「違わないだろうが」(可笑しそうに眼を細める九角)
龍麻「違うよ! 大体な〜前から思ってたけど、お前と俺は同じ年なんだからな! いっつも自分ばっかり大人みたいな言い方すんなよ!」
九角「してねェよ。お前がガキなんだろ」
龍麻「あ、また! その言い方〜!」

九角「……フ。じゃあ、大人なとこ見せてみろ」(そう言って背後から龍麻の首筋にキスをする九角)
龍麻「ひぁ…ッ! な、ななな何す…ッ!」
九角「こういう事くらいは平気でできるだろ」(更に執拗に舌を這わせる九角)
龍麻「わー!! やややややめろってッ!! それとこれとは別問題だろーがッ!!」(じたばたと暴れる龍麻)
九角「もがくな。うざってえ奴だな…」

龍麻「う…!? お、お前がいきなり変な事するからだろー!? おおお俺はな、お前と違って純粋無垢な青年なんだよッ! まだ女の子の手だってまともに握った事ないんだぞ!!」
九角「あん…? そうなのか…?」(意表をつかれて動きを止める九角)
龍麻「そそそそうなんだよッ! 俺はなあ…ッ! お前と違って、女と見れば誰彼構わず屋敷に連れ込んじゃうような、そんな不埒な真似とかも、勿論した事ないんだぞッ。す、すげえ羨ましいけど、した事ないッ!」
九角「………」(ぽかんとした顔で龍麻を見やる九角)
龍麻「お前…お前はこうやって、誰でも何でもとりあえず口説いちゃったりするんだろうけどッ! そういうのも…ちょっと俺もやってみたい気がするけど、でも俺はそんなのやった事ないんだからなッ!」

九角「………クッ」
龍麻「ん?」
九角「……お前の…そういう…馬鹿なところが……」(肩を震わせ、必死に笑いを堪えている九角)
龍麻「な…ッ! お前! 天童! お前何笑ってんだよッ!?」(振り返ってむっとする龍麻)
九角「……何でもねェよ。テメエは馬鹿だと言ったんだ」(ふっと優しい目を向け微笑する九角)
龍麻「………な、何だ〜!?」
九角「まァそう怒るな。誉めてやっているんだ」
龍麻「え?」(怪訝な顔をする龍麻)
九角「この俺がだぜ? 龍麻……」(そしてぎゅっと強く抱きしめてくる九角)
龍麻「天童……?」
九角「…………」
龍麻「…………」
九角「……誰にでも口説く、か」
龍麻「え?」
九角「……ったく。いい性格してやがるよ、テメエは」
龍麻「な、何? 何だよ!」(途惑って身じろぐも、解放してもらえない龍麻)
九角「暴れンな。…ったく、やっぱりガキだ、お前は」
龍麻「む、ガキじゃな―!」
九角「あー分かった分かった。もう言わねェよ。そういじけた面すんな」(ぐしゃぐしゃと龍麻の髪の毛をかき回す九角)
龍麻「……天童〜」

九角「何だ」
龍麻「その言い方が既に! ガキ扱いだ〜!」
九角「フ…悔しかったらな。もうちょっと色気つけて帰って来い。そうしたら…今度はまともに口説いてやるよ」





おまけ話、完♪







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