【10】
■本日の立候補者:舞園さやか■
おはようございます、龍麻先輩ッ! ……って、あれ? 先輩…もう帰っちゃったんですか?
あぁ…残念です…。折角お仕事早く切り上げて、さやか一生懸命走ってきたのに…。
霧島君にも約束していたのにな。ここに来る時は絶対一緒に行こうねって。抜け駆けはなしねって。
でも仕方ない…か。霧島君も龍麻先輩の事大好きだし、私にはお仕事があったんだし。
ふふっ。私…先輩と同じくらい、自分のお仕事も好きなんです!
私の歌で、少しでも多くの人が元気になってくれたり勇気を持ってくれたらって…そう、思いますから!
私には歌う事しかできないから…だから私、歌い続けていたいんです。
それが私の大好きな龍麻先輩の為にもなるって信じているから…なんてっ。ちょっと恥ずかしいな、こんな話。
でも実は私、ここに来るの本当に楽しみにしていたんですよ!
いつもなかなかお話できない龍麻先輩への気持ちを好きなだけ話していいって言われていたし。
私…小さい頃からとっても内気な性格だったから、龍麻先輩にもいつもなかなかお話できなくて。
私には蓬莱寺先輩みたいに龍麻先輩の背後から急に抱きついて襲ったりとか。
如月先輩や壬生先輩みたいに物や手料理で釣ったりとかできません。大体手作りって何か…怨念こもってそうで嫌じゃないですか?
ましてや何処かの聖女って呼ばれている先輩や、自称・歌姫な超勘違い先輩みたいに、女の色香をぷんぷん漂わせるのも好きじゃありません。
霧島君やその他大勢みたいにどんな姑息な手段を用いても龍麻先輩をモノにするなんて…そこまで人間堕ちたくないし。
それに……あ、あれっ!? 今、私…何か本当の事言っちゃいましたか!?
あ、でも私、あの人たちの事を羨ましいなんて、そんな風には思った事ありませんから!
卑怯だなとは思いますけど。(キッパリ)
………え、え!? さやか、また何か言っちゃいましたか?(困惑したようにきょろきょろ辺りを見回す)
すみません…最近お仕事がいっぱい入っていて、あまり眠れていないものですから…。
あ、でもさやか、頑張ります! 私を応援して下さっている人たちの為にも!
そして、誰よりも大大大好きな龍麻先輩の為にッ! さやか、愛の歌一生懸命歌いますッ!
そこにいらっしゃる皆さんも、こんなさやかを応援して下さいねッ。(ぺこり!)

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「モニター室にて」
雪乃「………まあ剣風キャラにもたまにはああいうのがいるって事で…な」
龍斗「可愛い」
雪乃「は、はあ? おい龍…じゃなかった、ひーちゃん! お前、ホントに物考えて口きいてんのか? あれのどっこが可愛いんだ!? 確かに…見てくれはまあまあかもしれないがよ!」
龍斗「何、雪乃ちゃん。あの子、仲間なんじゃないの?」
雪乃「そ、そりゃあ…! ……不本意ながらそうなんだけどよ。だけどお前聞いてたろ? 内気な女があんなぺらぺらぺらぺら人の悪口言うか? しかもしれっと! アイドルに夢見てる男たちはみんな泣くぞ、あんなの見たら!」
龍斗「えー俺は別に泣かない。正直な女の子大好き」
雪乃「……正直なら性格悪くてもいいのか」
龍斗「悪くないよ。俺の龍麻の事、あんなに愛してくれてる。俺、嬉しい」
雪乃「あーそうですか…。けっ、どうせまっとうな人間が損するサイトなんだよな、ここは(やさぐれ)」