【12】
■本日の立候補者:雨紋雷人■
オッス。入るぜ? へえ〜こんな感じ…ね。
ま、宜しく頼むわ。オレ様の名前は雨紋雷人。ライト、でいいぜ?
しっかし…な〜んかなあ…。
とりあえずここ来てテメエのアピールしてこいって言われたんだけどサ。
……投げてるワケじゃないぜ? けど、さすがにオレ様はお呼びじゃないって感じだろ(苦笑)。
まったく周りにヘンな先輩ばっか…おっと、同年代もだな。
とにかく、おっかしな奴が多いからよ。……あいつらも、腕は確かなんだけどな。
まあ、そんな奴らが事あるごとに龍麻サン…ま、あんたらも知ってると思うケド、俺たちの「救世主」に夢中…絡むわけだ。
救世主ってか…はっ、あの扱いはアイドルだな。
実際、龍麻サンはそこいらのアイドルや芸能人よかよっぽどキレイだし、光ってる。
先輩方や他の連中が夢中になんのも、まあ分かるわな。
現にオレ様だってあの人の可愛い笑顔とか見ると堪ンねえって思うし。
けどなあ…あの人も人がイイから、ほいほい誰にでもイイ顔しちゃって。あんなんじゃ保たねェんじゃねえの?って心配になんだよ。
だからまあ…勿論、龍麻サンと2人っきりになりたいとか、傍にいたいとか色々希望はあるんだがよ。
まあいいかな…ってさ。
龍麻サンがふっと思い出してくれた時にでも相手してくれれば…オレ様はそれでいいんだよ。
おい、これって負け惜しみなんかじゃねえぜ?
あの人が笑っててくれればそれでいいんだ。
あの人がいつも元気で、いつも幸せでいてくれたらさ…なーんか、こっちも浮かれちまうし。
おっと、別にオレ様欲のない人間ってワケじゃねえぜ? 控えめでもない。
つまりはサ…脇役は脇役なりのアピールってやつをのんびりとしていくつもりなんだって事よ。
時間はたっぷりある。こう見えてオレ様、想いこんだら一途だからな!

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「モニター室にて」
雛乃「外法のひーちゃん様、初めまして。雪乃の双子の妹、雛乃でございます。今日からわたくしがひーちゃん様の接待をさせて頂きますのでどうぞ宜しくお願い致します」
龍斗「……雪乃ちゃん、もう来ないの?」
雛乃「ふふ…あら、ひーちゃん様は姉様がお気に召しまして? 何ならわたくしが姉様の物真似をしてさしあげますが」
龍斗「怖そうだからいい」
雛乃「残念ですわ。それより今日の演説者、金髪ロッカー君はどう思いまして?」
龍斗「善良な人」
雛乃「それはお褒めの言葉と受け取って宜しいんですの? それとも安全過ぎて面白味のない、龍麻様にはやっぱり不釣合いなダメダメ殿方という風に受け取っても?」
龍斗「雛乃ちゃんは龍麻の事がとても好きなんだね」
雛乃「ふふ…鋭いひーちゃん様の事も、わたくしお慕いしておりますわ」