【9】
■本日の立候補者:壬生霜葉■
龍麻「えぐえぐ…(涙)。ううう…もう嫌だ、こんな世界〜(号泣)!」
霜葉「龍、麻……」
龍麻「え…? ……あ」(肩先にそっと置かれた手の感触に顔を上げる龍麻)
霜葉「……大丈夫か…?」
龍麻「あ…は、はい…。え、えと…?」
霜葉「すまないな…仲間がひどい悪ふざけをした…。後で俺からもきつく言っておく…」
龍麻「え…あ…奈涸さん…は?」(きょろきょろと辺りを見回す龍麻)
霜葉「奴なら俺が追い出した」
龍麻「あ…そう、なんだあ…」
霜葉「いつも何を考えているのかよく分からない男だ…。龍麻も翻弄されただろう…?」
龍麻「は、はい…。とにかくもうむちゃくちゃな勢いで迫ってくるから。こ、怖かった(涙)」
霜葉「……………」
龍麻「あ、あの…? 霜葉、さん…?」
霜葉「ん………」
龍麻「え、えーと。も、もう大丈夫です。ありがとうございます。だからその…そ、そんな風に頭撫でられても…(汗)」
霜葉「ああ…すまない。つい…」
龍麻「い、いえ…」
霜葉「…ここで君と何でも好きな事を話して来いと言われた…。だが何を話して良いのか…。すまない、龍麻の喜びそうな事を俺は何も知らないから」
龍麻「い、いえ! そんなのいいんです、こっちこそすみません! こ、こんな訳分からない空間に連れて来られて閉じ込められて! 霜葉さんだっていい迷惑ですよね!」
霜葉「……龍麻は平気か…? 俺などと一緒で苦ではないか…?」
龍麻「そんな事! そんな事全然ないです! 俺、霜葉さんみたいな人とだったら幾らでも安心して話せるし!」←奈涸形無し
霜葉「安心…。そうか…俺も…君といると何故か心が落ち着く…」(ふっと笑む霜葉)

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「モニター室にて」
雪乃「おっす! どうせ俺なんか演説もさせて貰えないからよ、こっちに来たぜ。宜しくな、龍斗!」
龍斗「俺のあだ名はひーちゃん」
雪乃「……はいはい。宜しくな、ひーちゃん」
龍斗「うん♪ よろしく、雪乃ちゃん」
雪乃「で、早速だけど今日のお客は昨日に引き続き外法の住人じゃねえか? ひーちゃんから見てこの霜葉はどうよ? ちなみに昨日の奈涸は俺たち剣風陣に大不評で、子孫の翡翠まで京一たちに責めたてられてたぜ」
龍斗「霜葉はね、真面目だね。気持ちの色も、奈涸がねずみ色なら霜葉は白なの」
雪乃「黒じゃなくてねずみ色かよ(汗)。…って、あいつの事はいいや。まあ、じゃあ、とにかく霜葉はまともな奴って事だな」
龍斗「まともな奴ほどキレると怖い。龍麻じゃ相手できないな」
雪乃「……白でそれかよ。結局外法キャラにまともな奴はいないって事だ(ため息)」