A.「プレゼントを渡したい」を選んだ場合。 |
「なあ…京一」 「ん? どうしたよ、ひーちゃん?」 そわそわしていた龍麻は、不意に思い切ったようになって京一の腕を掴んで言いました。 「あのさ…今日、お前の誕生日だろ?」 そして龍麻はコートのポケットに忍ばせていたらしい小さな包みを京一に差し出しました。 「ひーちゃん、これ…?」 「その…さ。あんま大したもんじゃないんだけど、誕生日プレゼント」 「………別に今日付き合ってくれるだけで良かったのによ」 「そんなわけいくかよ。ま…お前にはいつも世話になってるし…さ」 照れたようにそう言って笑う龍麻。 京一は少しの間だけ真剣な顔をしていましたが、やがてにっと笑って軽快に言いました。 「さんきゅな、ひーちゃん! へへ、すっげー嬉しい」 「うん……」 「嬉しいついでに…さ」 「え…あ……」 言ったと同時に京一はもう龍麻を抱きすくめ、その唇に自らのものを重ねていました。 驚いたように目を見開いていた龍麻も、すぐにおとなしくなって目を閉じます。 「……京一」 短いキスが終わって龍麻がそっと京一を呼ぶと、京一はもう当にそんな龍麻を見つめていて。 「ひーちゃん」 いやに真面目な声で囁きます。 そして。 「すっげー好き」 笑顔と共に京一は龍麻にそう言い、また強く抱きしめました。 「きょ、京一…っ」 そんな京一に龍麻の方は最初こそ途惑っていたものの。 「………うん。俺も」 やがてそう言い、自分からも京一の背中に腕を回しました。 【HAPPY END1】 |
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