03.3.テーマ「卒業」


【京主】

「京一。中国にはさ、トラとかパンダがいるんだよな」
「は? ま…いるだろうな、そりゃあ」
「俺がやられそうになったら助けろよ?」
「そりゃ…まあ…。けど、トラは分かるが何でパンダだよ? 野生のパンダって人襲うのか?」
「襲う襲う。夜になるとかーって飛び掛ってくるじゃんか! もう凶暴で凶暴で!」
「……おい。それ、何か俺の事言ってんのか? また人のパンツにいちゃもんつける気かテメエッ!」
「あはははっ。やっぱ京一は面白いなあ!」
「こっの〜! おい、ひーちゃん! そういう事ばっか言ってるとホントあっち行ってから後悔すんぞ!」
「何で。後悔なんかするわけないよ。だって京一とずっと一緒だもん」
「……っ!!!!! ……あのな。あっち行く前からそんな刺激してくんなって…」


【壬生主】

「高校3年間って結構あっという間だよな」
「龍麻は卒業後はどうするの?」

「ん…鳴瀧さんがお金を貸してくれるって言うから、大学に行くつもり」
「そう。それでどこの大学に行くつもり?」
「え? うーん、まだ分からないけど…行きたいのはA大だけど、B大やC大も受けるだろうな」
「そう。それでどこの学部を受けるつもり?」
「え? ……あのさ、そう言う壬生はどこ受けるんだ? 前、進学するって言ってたよな?」
「だから…早く決めたいから、君の行く所を訊きたいんだけど……」
「え…え、えええ!? あの…あのさ壬生、それって…(焦)」
「迷惑かな…。少しでも…君と同じ場所にいたいんだ。高校の時はできなかったから」


【如主】

「春って何だか寂しいな」
「何故だい」
「卒業したらさ…みんなバラバラだし、それぞれの道を歩むわけだし」
「何だそんな事か」
「む…どうせ! 翡翠はそういう感傷とは無関係な人間だもんな!」
「どういう意味だい。嫌な言い方をするな」
「どっちが! 人が暗い気持ちでいるってのに追い討ちかけるような事言って!」
「龍麻。僕はここにいるよ」
「あ…当たり前だ…っ! 許さないからな…そんな…何処かへ行ったりしたら…」
「ああ。僕はここにいて、こうして店をやっている。だから龍麻…そんな顔をするなよ」


【劉主】

「なあな、アニキ! 同じ枕やないと眠れないとかない!?」
「ないない、何処でだって寝れる〜」
「ああ、あとっ! 慣れない食生活でお腹壊したりとかしないやろか!? あとあと…っ」
「あのなー劉っ。そんな大した違いなんてないだろ、中国と日本なんて!」
「アニキ! 文化の違いを甘く見たらあかんて。やっぱ最初は色々大変やと思うんや〜」
「もう平気だって。劉ってそんな心配症だったっけ?」
「うんうん。わいはアニキの事になると人一倍繊細な男の子になるよってな」
「はあ…。はは、ったく、これから一緒に住むんだぜ? そんなんでこれからどうするんだよ」
「だからこそやて! ラブラブな新婚生活に最初からケチがつかん為にもやな…!」
「劉……頼むからそういう恥ずかしい台詞を真顔で言うな(赤面)」


【犬主】

「ふわあ…。何か寝不足。眠いよー」
「帰って寝ればいいだろう。お前、一体何しに来たんだ?」
「懐きにきました」
「……………」
「だって卒業したら、もうこうやって生物室に遊びに来る事もできなくなるじゃないですか」
「だから、今…か?」
「はい。先生がこうやって面倒くさそうに淹れてくれるコーヒーだって……」
「来ればいいだろう」
「え…? …だって、卒業した後そんなほいほい学校に来るってのも…」
「俺の家にだ。来たければ来ればいい。コーヒーくらい…幾らでも淹れてやる」


【九角主】

「天童はお金持ちの息子だから卒業後ブラブラしてても良さそうだな」
「龍麻、テメエは一体何が言いたいんだ」
「別に。やる事なくても気にするなって言ってんの」
「……卒業後の進路ならもう決めてある」
「えっ、ホント!? だって鬼道衆さんたちが御屋形様はどうなさるのかって心配してた!」
「何で勝手に生きてるアイツ等に俺の今後をいちいち話さなきゃならない?」
「え〜ははは、ひどいな、冷たい!」
「フン。何か言えばまたぞろ騒々しく慌てふためくに決まってんだからな」
……なあ天童。でも、俺には教えてくれるんだよな…?
「……おい、何だこの手は? たく、偉そうに言う割に…分かったから放せ。教えてやるから


【美里主】

「ななな…何だこれ……!」
「あ、お帰りなさい、龍麻」
「み、美里…!? こ、この荷物は一体…!?」
「うふふ…いやだ、龍麻。卒業したら一緒に暮らそうって約束、忘れたの?」
「え、えええええ!? や、約束!? 俺が美里と暮らすって…?」
「そうよ、固く手を握り合って見つめ合ったあの夜のこと…私、一生忘れないわ」
「そそそそんな…。お、俺全然記憶にないんだけど…?」
「あら…うふふ、そんな照れなくてもいいのに。あ、それで前のベッドは捨てておいたから」
「す…! な、何で、俺あれすごく気に入って…わ、わあっ!? な、何だこのダブルベッドはぁッ!!!」
「うふふふふ……龍麻、この世はみんな早い者勝ちなの…先手必勝、唾つけた者勝ち…!」


【雑多主】

御門「卒業ですか。まあ、私のやる事は学生時代からそう変わりはありませんね」
村雨「俺はとりあえず先生誘って外国で一山当ててくるぜ」
霧島「何勝手な事言ってるんですか! 京一先輩といい、劉さんといい! 先輩を何処へ連れてく気ですか!」
さやか「そうです! 異国の誰も知らない地で龍麻先輩の身体を○○して○○するなんて羨ましすぎます!」
藤咲「だから誰もそこまで言ってないっての…」
雨紋「けど、龍麻サンをどっかへ連れてっちゃう系はマジでナシっすよ。俺ら辛すぎ」
アラン「HAHAHAHAHAー! OH! でもボク、アミーゴを母国に連れ去って結婚するネー!!」
雪乃「ンな事勝手に決めてんじゃねーっ【怒】!」
雛乃「皆様我がままが過ぎますわ。ここは公平に全員が東京残留で龍麻様を争うと言う事で…」
小蒔「そうだよね〜。ひーちゃんがいなくなっちゃったらみんな寂しいし〜」

佐久間「よし、分かった。それじゃあ、俺様も妥協して東京で同棲ってとこに落ち着いてやるぜ!」

一同「…………」

ドカッ、バキッ、ズゴーンッ!!!


佐久間「……く、くそ…。いつまで続くんだ、このオチは…」(ばたり)