「貴方こそ誰ですか」と尋ねた場合



「…貴方のような正体の知れぬ人に、答える名前はありません」

 目の前の美男子さんは素っ気なくそう言い、それからすたすたと去って行ってしまいました。
「あ、あの…!」
 困った龍麻はオロオロしながらも、それでもその場を動くことができませんでした。

 しばらくして、さっきの人の家来なのでしょうか、美しい女の人がやってきて、龍麻を元の書庫へと帰してくれました。
 龍麻にとっては不思議な体験でしたが、それ以来、あの本を開いてもその世界へ行くことはかないませんでした。

 …そうして龍麻は相変わらず阿師谷の家で、父さんや兄さんたちにこきつかわれながら苦しい毎日を送りましたって。かわいそう。



<完>





★後記★BADEDです。何の変化もなく、ただ悲惨なだけ…。しかも御門さん名乗りもせず去ってます…。まあ、一個くらいはこういうEDも…ということで。


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