「ここは何処ですか」と訪ねた場合 「ここか? ここはな…賭博場への入口だよ」 「…?」 そう言われて龍麻が改めて周囲を見渡すと、前方に大きな建物があるのが目に入りました。 「≪かじの≫って言ってな。あそこで、色ンな奴がてめえの運を試すのさ。へへッ…。中にはパンツ一丁になって帰る奴もいるがな」 「自分の…運を」 「そうだ。何だ、兄さん。あんたも運試しに…やって来たのかい?」 「そうかも…しれない」 龍麻が夢うつつのようにそうつぶやくと、目の前の男の人は興味深氣にそんな龍麻を見つめてきました。それからやがて楽しそうな表情になり、龍麻の背中を力強く叩いてきました。 「よっしゃ! じゃあ、俺も兄さんのデビュー戦初勝利に一つ乗ってみるとするかな。一緒に行ってやるよ」 「え、本当ですか…?」 「見たところ…どうせ軍資金もねェんだろう? まあ、儲かったら返してもらうさ。気にするな。アンタは勝つぜ。そんな気がするよ」 「あ、ありがとう…」 「まだ名前、言ってなかったな。俺は村雨だ。よろしくな、兄さん」 「龍麻です」 「龍麻か。じゃあ行くぞ、龍麻」 村雨さんはそう言うと、龍麻の背中をもう一度強く叩きました。その力強さに、龍麻は何だか自分に勇気が湧いてくるような気がしたのです。 それからしばらくして。 ≪かじの≫で龍麻のことを知らない人は一人もいないというくらい、龍麻はそこで多大な成功を収め、相棒の村雨さんと一緒に新たな賭博場を求めて旅に出ましたって。だから龍麻はもう二度と、あの家に帰ることはなかったのです。めでたし、めでたし♪ |
<完> |
★後記★村雨さんとのED第2弾。壬生さんとの相棒EDがありましたが、こちらもそんな感じです。