「いいえ、違います」と言った場合



 肯定しようとして、龍麻ははっと思い出しました。父である導摩から阿師谷の一族であることは言うなと言われていたことを。

 父の忠告を今頃守ってももう遅いのですが、それでも龍麻は目の前の如月青年に「いいえ、違います」と小さく答えました。
 すると如月青年はみるみる不機嫌な表情になり、「僕は卑怯な男も嫌いだけど、嘘つきも嫌いなんだよ」と吐き捨てるように言ったのです!!
 がーんなのです。
 そうして去って行く如月氏。そして更に、麗司兄さんには。
「お前…! 僕がお前の兄じゃないだと…! よくも、よくもそんな事を…!」
 そうしてぎりぎりと悔しそうに唇をかむのでしたが、やがてゆら〜りとした不気味な笑みを浮かべ。
「ふ…ふふふふ…。そうか、兄弟じゃないというんだな。それならそれで丁度いい…。なら、こうしてやろうじゃないかー!!」
「に、兄さん…っ!?」
 龍麻が後悔した時には、もう遅すぎました。麗司兄さんはそのひ弱そうな外見とは裏腹に、あっという間に龍麻に襲いかかると………以下略。

 ああこんなEDは嫌という人は、今すぐブラウザの「戻る」で(遅)。


 …けれどもこの事件があってからというもの、麗司兄さんはちょっぴり、いえ、大分龍麻には優しくなってくれました。陰気なことも言わなくなり、前向きになり…。どこかしら生きる希望がわいてきたのでしょうか、少しだけ明るい顔にもなりました。そうして、龍麻もそんな麗司兄さんのおかげで、家でいじめられることがめっきり減りましたとさ♪おしまい♪



<完>





★後記★初の試み嵯峨野×龍麻・・・。もう二度とこんなことはしないでしょう。多分…。


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