ピ―――――!!
天童が「もう一度勝負がしたい」と龍麻に言った途端、であった。
「………!!?」
突然笛の音が鳴り響き、部屋の外からどやどやと鬼道衆たちが現れた。笛を吹いたのは、どうやら雷角らしい。
「御屋形様…」
「てめえら、一体どういうつもりだ…。俺はこれからコイツとあの時の勝負の続きを…!」
「御屋形様。ここはそういうことをする場所ではございませんので…。ひーちゃん様も、そういうことに関しては心の準備ができていないのでございます」
「何ィ…?」
言われて天童が龍麻の方を見ると、龍麻は今にも泣き出しそうな、悲しい瞳をしていた。そうして、天童がこちらを見ていると気づくとゆっくりと言葉を出した。
「俺…今更もう一度お前と戦う気なんかないよ…。お前が俺のこと…そこまで殺したいって思っているのなら、俺は敢えてお前に殺されてもいい」
「馬鹿言ってんじゃねえ…! 俺はただお前と俺の力を―」
言いかけて、天童ははっとした。ぽろりとこぼした龍麻の涙が。
あまりにも綺麗で。
そして、悲しかったから。
けれど、そんな龍麻に天童が近づこうとした刹那。
ピ―――――!!
再び笛が鳴り、龍麻は雷角以外の鬼道衆たちによって別室へと連れて行かれてしまった。
「ゲームオーバーでございます、御屋形様」
「……っ。おい、待て! 俺の言い方がまずかったのなら言い直してやる! だからアイツと話をさせろっ!!」
「残念無念でございます、御屋形様」
けれども雷角はそう言って、首を横に振るのみであった…。
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