Bの「待ってやる」を選んだ場合





 随分長い時間、戸惑う龍麻の顔を見たような気がしたが。
 やがて龍麻はゆっくりと天童の胸に自分の顔を押し当てた。
「僕…も、天童と一緒にいたい」
「………」
 正直、自分から言っておいて、天童は龍麻のそんなセリフなど期待していなかった。けれど、龍麻は間違いなくそう言ったのだ。
「天童の…そういう、力強いところ…とか、僕、すごく好きだから…」
 そう言ってかっと赤面する龍麻に、天童は無意識のうちに身体を動かし、そんな龍麻をきつく抱きしめた。
「龍麻…」
 そうして、2人は見つめあい…お互いに唇を寄せ合った、その瞬間。

 ピ―――――――!!!

「………!!?」
 いきなり高らかに笛の音が聞こえたと同時に、鬼道衆たちが天童たちの周囲をぐるりと取り囲んでいた。
「…てめえら」
 もの凄くいいところを邪魔された天童の怒りは凄まじい。けれども恥ずかしそうにしながらも自分の腕にしがみつく龍麻に、自然顔が穏やかになってしまう。
 そんな複雑な天童に対し、鬼道衆を代表して雷角が言葉を出した。
「御屋形様、ゲームはこれにて終了にございまする。そして、EDはこちらで!!」
 雷角が指し示した方向で、残りの鬼道衆たちがすらりと襖を開け次のステージを公開する。
 そこには、きっちりと敷かれた上等の布団が一式。
「御屋形様。こちらは『企画室』という所でありますから、18禁な内容は書けないのでございます。ですから、続きは誰にも見えない所で、ごゆるりと…」
「……なるほどな。おい、お前ら、気が利くじゃねえか」
「お褒めの言葉、ありがたく存じまする」
「と、いうわけだ、龍麻」
 そう言って天童はすっと龍麻のことを抱え上げると。
 戸惑う龍麻に向かってにやりと笑った。

「心配すんな。…いい思いをさせてやる」
「て、天童…っ」
 ますます頬を赤らめる龍麻に軽くキスをして。
 天童は奥の部屋へと、龍麻を連れて行くのだった♪
 ハッピーエンド!!




                          

<完>





◆一言コメント・・・う〜ん、おとなしいひーと天童様ってのも書いてて楽しいです。また書きたい!


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