ピ―――――!!
天童が「もう一度勝負しろ」と龍麻に言った途端、であった。
「………!!?」
突然笛の音が鳴り響き、部屋の外からどやどやと鬼道衆たちが現れた。笛を吹いたのは、どうやら雷角らしい。
「御屋形様」
「てめえら、一体どういうつもりだ…。俺はこれからコイツとあの時の勝負の続きを…!」
「御屋形様。ここはそういうことをする場所ではございませんので…。ひーちゃん様も、そういうことに関しては心の準備ができていないのでございます」
「何ィ…?」
言われて天童が龍麻の方を見ると、龍麻は今にも泣き出しそうな、悲しい瞳をしていた。
「僕…ここに来れば天童と仲良くできるって聞いて…だから来たんだ。戦いなんか望んでない…」
「何言ってやがる…! 俺とお前は戦いを取ったら何も―」
言いかけて天童ははっとした。遂に泣き出してしまった龍麻が、それでも天童の服の裾を掴み、「そんなの嫌だよ…」と言ってきたから。
けれども、その刹那。
ピ―――――!!
再び、笛が鳴り、龍麻は雷角以外の鬼道衆たちによって別室へと連れて行かれてしまった。
「ゲームオーバーでございます、御屋形様」
「こ、こら待て! 今日は俺の誕生祝いじゃなかったのか!? 俺の好きにやらせろっ!!」
「残念無念でございます、御屋形様」
雷角はそう言って、首を横に振るのみであった…。
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