如月:おや、今日は君たちか。

 雛乃:お久しぶりです、翡翠様。この度は事業拡大おめでとうございます。
 雪乃:よう、翡翠! やるなあ、お前! スポンサーつけて支店まで出すなんてよ! あ、これ開店祝い。
 如月:ああ、ありがとう。しかしこの店はそういうつもりでやってるんじゃないよ。1ヶ月限りの営業なんだ。
 雪乃:へ、そうなのか? おっかしいなあ…な、雛?
 雛乃:(きょとん)はい。この「銀ノ龍」支店を皮切りに、これからは更に店舗の拡大を目指すと…伺いましたわ。
 如月:何だって? 一体誰に?
 雪乃:……そういや噂の出所はどこだっけ?
 雛乃:わたくしは姉様から伺いました。それで翡翠様が龍麻様への愛よりもお金を取ったと―。
 如月:な、何だって!? どういう事だ? 雪乃!!
 雪乃:あ、あれえ(焦)? 違ったのか? けど、俺も誰かにそう聞いたんだよ。それで龍麻が―。
 如月:た、龍麻がどうした…ッ!
 雪乃:こ、こら、だから刀抜いて詰め寄るなッ!! ひ、雛、パス!!
 雛乃:傷心の龍麻様は美里様と何処かへ行かれたとか何とか…。よく考えますと、これって美里様による罠だったのでしょうか?
 如月:よく考えなくても罠に決まっているだろうッ!!



 10月12日 織部雪乃・雛乃姉妹から 開運のお守りを手に入れた。




くそ、こうなっては契約どうこう言っていられない…!
店を閉めて龍麻を探しに行こう。他の連中じゃ頼りにならない!
それに美里さんがあらぬ事を龍麻に吹き込んでいるのだとしたら…!

あ、何だこれは? くっ! と、扉が開かない…!!
何てスポンサーだ!! 外界へは帰れないようにしているな…!
もしやこの店そのものが美里さんが仕組んだ罠なのか…!?

………あ。き、君。今日も…来てくれたのかい。(戸惑う)

恥ずかしいところを見られたな。
ああ、君も分かっていると思うけど、僕は龍麻のことが好きなんだ。

彼のことになると…らしくもなく、平静ではいられない。こんな時こそ落ち着かなくては…。


【店主:如月翡翠】



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