村雨:おいおい、今営業中だろ? やる気のねェ店だな。
 如月:……何だ、村雨。お前も来たのか。←やさぐれ中
 村雨:フッ、随分な言い草じゃねェかよ。大体、この散らかりようは何だ? ひでェザマだな。
 如月:気にするな。……今は片づけをしようなんていう気分じゃないんでね。
 村雨:先生のことだろ? コスモの奴らが大騒ぎして―まあ、他の連中もだが、捜索中だって俺の所にも来たぜ。
 如月:それで何か手掛かりは掴めたのか?
 村雨:いいや。御門も何かの力に邪魔されて龍麻の姿は見えないってよ。
 如月:美里葵…彼女は一体何を考えているんだ…。
 村雨:お前、そりゃ先生を自分のモノにしようと思っているに決まってンだろ。
 如月:(カチン)……おい、村雨。いやに落ち着いているじゃないか。龍麻のことが心配じゃないのか?
 村雨:そこだがよ。お前、先生がそうそう簡単にあのお嬢さんに押し倒されると思うか?
 如月:ああ、思うね。(きっぱり) 龍麻はのんびりしているところがあるからな。
 村雨:ったく。お前も他の連中と一緒で、先生のことを甘く見すぎだぜ。なあに、そのうちひょっこりここにも顔を出すさ。
 如月:……それはお前の勘か?
 村雨:さてね。ところでこいつは開店祝いだ。先生が来たら一緒にやれよ。



 10月13日 村雨祇孔から おいしいお酒を手に入れた。




……確かに僕が一人で悶々としていても始まらない…か。
美里さんといえども、僕たち全員を敵に回して事に及ぶなど―。
ま、まあ考えられるが、それでも龍麻だって黄龍の器。

村雨の言う通り、そう簡単には……。
それにしてもさすがにこれは散らかしすぎだな。やはり少し片しておくか。
連中からの置き土産も大分増えてきたし。しかし皆、いやに義理堅い…。

あ、いらっしゃい。よく来てくれたね。

やっぱり君もこの店の荒れ具合は気になるかい?
すまないね、いつも来てくれているのに、こんなみっともないところばかり見せて。

そうだな、少しは…。ここで出来ることでもするか。


【店主:如月翡翠】



back