如月:……雨紋か。来たのか。

 雨紋:ちわっす! あったり前じゃないスか! オレ様が如月サンの開店祝い、しないわけがないでしょ。
 如月:この店はどうせ一ヶ月限りの営業なんだ。別段、祝う必要などないさ。
 雨紋:へへッ、相変わらずクールっスね、如月サンは! けど…。
 如月:何だ?
 雨紋:龍麻サンが祝いに来たら…嬉しいでしょ?
 如月:龍麻に会ったのか?
 雨紋:見ただけスよ、後ろ姿を。美里サンと一緒でした。
 如月:何処へ行こうとしてたんだ、2人は?
 雨紋:んー? っていうか、龍麻サンが美里サンに横抱きされて攫われてた感じスかね!
 如月:な、何だって!? 雨紋、貴様…!!
 雨紋:うおッ、怖ェ!! あっはは! 嘘! 嘘っスよ、如月サン! そんなムキにならんで下さいよ〜。
 如月:……洒落になっていないと言うんだ、お前の冗談は……。(鞘から出しかけていた刀をしまう)
 雨紋:龍麻サンならそのうち来ますって。あ、それまでこれでも聴いてリラックスして下さい。店に音楽は欠かせないでしょ。
 如月:……うちで流すような音楽じゃないな。


 10月5日 雨紋雷人から ロックバンド『CROW』の自作CDを手に入れた。




……ふう。まったく、雨紋の奴。
龍麻もあれでぼうっとしているところがあるからな…。
美里さんに言われるまま、何処かに連れ去られても不思議はない。
それにしても横抱きとは…。←ちょっとムッ!
あ…すまない。またお客の君を放っておいてしまった。

君はロックとかは好きかい?
しかし店で音楽を流す気はないんだ。僕は騒がしいのが好きじゃないんでね。
その点では、この店は静かでいい。人も滅多に来ないしね。
ああ、こんな事を言うなんて・・・店主としては失格かな?



【店主:如月翡翠】



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