如月:まさか貴方までこの店に来るとはね。

 御門:お邪魔でしたか。
 如月:いや、そんな事はないさ。でも、仕事の方はいいのかい。色々と忙しい身だろう?
 御門:ええ、まあ。しかし「陰陽師」ブームだか何だか知りませんが、最近は何処へ行っても休まらないものでね。
 如月:…ああ、それでここへ導かれてきたというわけかい。
 御門:まあそんなところです。それに龍麻さんもこちらに来られるということですし…芙蓉。
 芙蓉:はい。(豪華な包みを差し出す)
 如月:何だい?
 御門:ちょっとしたお土産ですよ。龍麻さんには、この店の物だけでは退屈でしょうしね。
 如月:……君はこういうものが好きなのかい。(包みを広げて)
 御門:割と楽しいですよ。私は村雨と違い、こういった遊びの方が好きなもので。
 如月:……まあ、龍麻は喜ぶと思うよ。来たら渡しておくよ。ところで、その龍麻を知らないかい?
 御門:……芙蓉、あれを。(額に手を当て、ため息)
 芙蓉:はい。如月様、どうぞこれを。ここ数日間、私と同じ式神が決死の覚悟で撮った龍麻様のお姿です。
 如月:こ、これは…。やはり美里さんと一緒なのか。しかし彼女…カメラ目線で笑っているのが何とも…。


 10月6日 御門晴明・芙蓉から 怪しげなパソコンゲームを手に入れた。




……芙蓉さんと同じ式神……美里さんに殺られたか。
しかしこの写真を見る限り、龍麻はやはり彼女と一緒に姿を消したことに。
龍麻…無事だろうか。
くそ、よりにもよってこんな時に拘束されているとは…!
そういえば、君はよくここに来るけど…今外の世界はどうなっているのかな。

ん…ああ、いいんだ。気の済むまでゆっくりしていってくれ。
さっき来た男も、身体が休まらないと言って奥の座敷で寝ていったくらいだからね。
まったく、この店に来る連中は何を考えているのやら。
ああ、君は別さ。いつも来てくれてありがとう。



【店主:如月翡翠】



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