如月:…! 貴方は…。

 犬神:昨日は店を閉めていたようだな。
 如月:…ああ、すみません。知り合いが結界を張ってしまっていたようで。先刻帰りましたが…。
 犬神:御門家の当主か…。フッ、いらぬ干渉に疲れているようだな。
 如月:そういう貴方も同じ理由のようですね。今日は誰から逃げているんですか。
 犬神:……まあ気にするな。とりあえず、明後日まで居させてもらうぞ。
 如月:まったく、断っておきますがうちの店は――。
 犬神:その代わりと言っては何だが…これをやるよ。
 如月:うっ…(固)! こ、これを何処で…?
 犬神:俺のクラスの生徒が遅刻を見逃す代わりにと言って押し付けてきたんだ。ったく、何を考えているのやら…。
 如月:それで遅刻は見逃してあげたんですか?
 犬神:馬鹿を言うな。飛水家の跡取りともあろう男が…また随分とアイツには毒されているようだな。
 如月:…ッ!!(赤面) 貴方自身はどうなんですか。
 犬神:さあ、どうだかな…。とにかく、誰が来ようと俺のことは他言無用に頼むぞ。(奥座敷に消える)
 如月:……相変わらず、分からない人だ……。


 10月8日 犬神杜人から 龍麻君の★秘密★隠し撮り写真集を手に入れた。




……じー……(写真を見入る如月)
はっ!! (赤面)
し、しかしこんな物が出回っているとは…。

撮った者の撮影技術もさることながら、こんな物が売られている真神学園…。
警戒すべきは、美里さんだけではなかったか。
あっ、い、いらっしゃい。来てくれていたのかい?(焦)

さっきの人かい? うちの常連客だよ。龍麻の学校で教鞭を振るってもいるんだが。
……底の見えない人さ。
そういえば一体何から逃げているんだろう?


【店主:如月翡翠】



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