質問62「新年は恋人と2人きりで過ごしたい?」

12月31日夜。涼一のマンションにて。


涼一「なあ雪……。何で年の瀬までこいつらと一緒にいなくちゃなんないんだ? しかもここ俺の家だぞ…」
雪也「え…。で、でも折角来てくれたのに…」
藤堂「そうだぞ涼一! 大体、お前ホント今年1年冷た過ぎた! 07年もそうやって友情そっちのけで彼女を優先する気か!?」
康久「彼女なんていねーじゃん……」(ぼそ)
うさぎ「涼一は雪也と2人っきりになりたいんだよな」
藤堂「は?」
雪也「!! な、何でもない、何でも(焦)!!」(慌ててうさぎの口を塞ぐ)
藤堂「んー?」←分かってない
創「そんな事より、折角こうして集まってるのに、家主からは何も出してくれないの? さっきから、うちか護さんが持ってきた差し入れしか食べてないじゃないか」
護「そうだな。俺もたまには雪の作った手料理が食べたいな」
雪也「え…」
涼一「つーか何でお前らまでいるんだよ【怒】!? 邪魔! 激しく邪魔〜!!」(キーッ)
雪也「りょ、涼一落ち着いて…(汗)」
涼一「雪は何でそんな落ち着いてんだよ!? そうか、お前は俺といるよりコイツらといる方がいいってのか!?」
雪也「そ、そんな…。でも、皆でわいわいやるのも楽しいよ…」
康久「ほ、本当か桐野!? 俺といるのも嬉しいか? へ…へへへへ……」(にへら)
うさぎ「キモ〜」
那智「う、うさぎちゃん…」←実はいた

ピンポーン。

雪也「はい……? あ、あれ…?」
友之「あれ…」
数馬「ちょっとちょっとトモ君、後がつかえてんだから早く入ってよ〜。あ、雪也さん、どうも〜あけましておめでとうございま〜す」
光一郎「まだ明けてないだろ」
雪也「え? え? 北川さん…?」
中原「おいおい、こんな大人数入れるのかよーこの家……って、うお、広ェ〜! 贅沢な所住んでんなあ、おい!」
修司「ナニナニ? は〜ホント、いいねえ。コウ君も早く出世して、あのボロアパートから可愛いトモをもっと良い所に移してあげなくちゃねえ」(言いながらぎゅっと友之を背後から抱きしめる)
友之「わっ」
中原「おい修司テメエ【怒】!」
数馬「もう〜荒城さんずるいなあ。すぐトモ君にお触りするんだからあ。ほらほら、拡クンも負けじとトモ君にタッチしないと、年が明けちゃうよ?」
沢海「年が明けるのは関係ないだろ。……で、でも友之、初詣は一緒に……」
雪也「え、えっと…何で……」
藤堂「うわ〜凄い団体さんだなあ。桐野の知り合いか? まあ、新年パーティは大勢いた方が楽しいもんな! 盛り上がろうぜ〜!」
康久「そうだそうだ〜! (そして涼一の邪魔をしてやるぜ〜ニヤリ)」
涼一「………」←怒筋ぴくぴく

ピンポーン。

雪也「はい…あ、やっぱり」
浅見「え? やっぱりって? あ、あの、すみません、何かいきなりこちらへ来いと言われまして…」
葉山「ちょっと何だよこの大人数。冗談じゃないんだけど。浅見、帰ろうぜ」
浅見「え? でも葉山…」
葉山「俺、こんな所にいたくない。新年は2人きりで過ごそうって言っただろ。俺、ホテルも予約してるから」
浅見「ばっ…そんな事こんな所で…(焦)!」
涼一「! おお〜まともな奴もいたか! そうだそうだ、お前らもう帰れ! 大体お前ら、他に行く所ないのか!? 俺はある、俺はあるぞ! そしてここは俺の家で俺が主だ! だから俺が用があると言って帰れと言ったら、お前らは四の五の言わずにとっとと退出するべきなんだ!」
康久「行くってどこだよ。どうせ初詣だろ? ならこれから皆で移動しようぜ〜。丁度いい時間帯だし」
創「そうだね。桐野君、行こうか?」
雪也「え?」
うさぎ「行こう行こう桐野〜」
涼一「こ、ここここら! 何でお前らが雪を囲んで雪を連れて行こうとするんだ!!」
康久「涼一はどっか行く所があるならそこ行っていいぞ〜。俺らは出て行くから」
涼一「雪を置いていけ〜!!! 俺が行く所は雪も行くんだ!!」
雪也「涼一」
涼一「! 何だよ…」
雪也「みんなと一緒に行こうよ」
涼一「なっ…」
雪也「……ね。行こう」
涼一「………」
護「ふ……どうする、涼一?」
涼一「………煩ェ! 行くに決まってんだろ! 雪が行く所は俺も行く!!」(ずかずかと先を歩き出す)
雪也「あ、涼一、待ってよ」
康久「! き、桐野、そんな慌てて涼一の後追わなくても〜(泣)」
うさぎ「やれやれ」
那智「あ、ま、待って下さ〜い」
藤堂「?? まっ! いっか〜!!」


葉山「人騒がせなカップルだなあ。浅見、俺たちはああはなりたくないもんだな?」
浅見「……さ、さっきの葉山は結構あの人に近い我がままだったよ(汗)」
葉山「まさか。さ、俺たちも行こうぜ」
浅見「わっ、だから人前で手を繋ごうとするのは…(赤面)」


光一郎「……何なんだ」
友之「僕たちはここにいていいの?」
修司「いいに決まってるだろー? 留守番しててやろうぜ」
数馬「そうだよー。幸いな事にご馳走もたくさん残ってるみたいだし! 盛り上がろう!」
中原「この面子でかよ…」
沢海「人ん家でいいのかな…って、あれ?」(ふと横を向く)
橋本「やっほー! 北川君! 来たよー!!」
友之「あ…」
沢海「あ! な、何でお前まで来るんだよ!?」
橋本「自分だって無理矢理北川君にくっついてるくせに、何よー。私だって北川君と新年を迎えたいんだからね!」
由真「勿論、私もね」
裕子「はーい、みんな、差し入れ追加で持ってきたよー」
光次「うわあ、遅れた! 皆さん、先に行っちゃってずるいですよー! あ! 友之君! 俺、友之君の隣だから!」
数馬「何勝手な事言ってくれてんのかなあ、キミは。トモ君はボクの隣にいたいに決まってんじゃん。ねえ、トモ君?」
友之「え…」
沢海「お前が勝手に決めるな!」
橋本「そうだよ! 私だって北川君の隣になりたい!」
由真「まあまあ、あんたら落ち着いて。ここは平等にあみだとかじゃんけんがいいんじゃん?」
裕子「誰があみだを作るのよ」
修司「やっぱコウ君じゃない?」
光一郎「嫌だ」
中原「もういいから、トモはコウの隣座ってろ」
数馬「あ! そうやってもう一方の隣は自分が取る気でしょ、先輩! さり気なくずるいんだからなあ」
中原「煩ェ! お前の隣にさせてたまるか!」
友之「……っ」(オロオロ)
裕子「やっぱりここは私がトモ君の隣に…」
由真「ふざけんな」
裕子「! な、何か言った?!」
橋本「ま、まあまあまあ。女の争いはみっともないですから〜」
裕子・由真「「そう言いながら隣に移動しようとするな!!」」
沢海「………ボー然」←完全に出遅れている
友之「あ、あの…」
光次「! 何? どうしたの友之君!? やっぱり俺の隣になりたい?」
数馬「どっから出るんだろうねえ、その自信」
沢海「お前ほどじゃないだろ」←やっと復活
修司「ふ…どしたトモ? 何か言いたい事あるなら言ってみな?」
友之「………」
光一郎「……友之?」

友之「うん…。あの……みんな、今年一年、どうもありがとうございました……」

全員「………」
友之「来年も……よろしく、お願いします」
沢海「可愛っ……」(思わず鼻を押さえる沢海)
数馬「……はいはい、落ち着いて」(呆)
橋本「だーっ」(感涙)
裕子「トモ君、立派になって……」
由真「あーあ、勝てないなあ」
光次「……・…」
光一郎「光次、何黙ってんだよ?」
光次「べっ、別に…」
修司「こうしてまた新たな若人が泥沼にハマっていくと」(笑)
中原「元からだろ」(ため息)
光一郎「……じゃ、とりあえず新年を前に乾杯の用意でもするか。人ん家だけど」
友之「あ、僕も……」
裕子「はいはい、じゃあ皆もそれぞれお皿出したりコップ出したりしてー」
数馬「人ん家だけどね」
中原「ま、いっか」
修司「いいんじゃない?」
由真「楽しければね」
橋本「さんせーい」
光次「いっぱい食うぞー」
沢海「俺、買い出し行ってきます」
中原「じゃあ車出してやるよ」
友之「……っ。コウ……」
光一郎「ん……」
友之「た、楽しいね、……こういうの」
光一郎「……そうだな」
友之「うんっ」


皆様も素晴らしい新年をお迎え下さい。


上総 実 拝

【完】