質問68「しりとりって本気のゲーム?」

夕食後、歩遊の家ではなく、珍しく俊史の部屋でそれぞれの勉強をしている2人。


歩遊「俊ちゃん、しりとりしよう」
俊史「は? …まぁいいけど(休憩か?)」
歩遊「じゃあ僕からね! ボール!」
俊史「ルール」
歩遊「る…る…ルビー!」
俊史「ビール」
歩遊「うっ…。る…る、あ! ルノワール! へへ〜」
俊史「(何だその得意気な顔は…)ルクソール」
歩遊「!? な、何それっ」
俊史「エジプトの観光都市だろ」
歩遊「し、知らないよそんなの…。僕も知ってるものにしてよ」
俊史「はぁ? …ったく。こんな遊びに何真剣になってんだよ。じゃあ、ルミノール」
歩遊「!!」
俊史「知らないとは言わさねーぞ。この間の化学で習っただろ」
歩遊「…ずるいよ俊ちゃん」←恨めし気
俊史「何がずるいんだよ。フツーにやってるだけだろ」
歩遊「だって最後に“る”のつくものばっかり! こんな考えてばっかじゃなくて、もっと、どんどん続くような感じでやりたいのにっ」
俊史「あのな…そもそも何でいきなりしりとりだよ。宿題終わったのか」
歩遊「うん」
俊史「なら予習でもしろよ」
歩遊「もう終わったよ。復習もやったし、問題集は、これ以上新しいページ進めるのも中途半端だから」
俊史「……? じゃあ好きなことしろよ」
歩遊「だから…俊ちゃんと遊びたいと思って」
俊史「…は?」
歩遊「ごめんっ。僕もう帰る!」
俊史「か…帰らなくていい! 何逃げてんだ!」
歩遊「に、逃げてない…! でもバカみたいだと思って! ごめん!」
俊史「あ、謝るなって。別に責めてねーよ、唐突にしりとりとか言うから…っ。ちょっと戸惑っただけだろ」
歩遊「でも俊ちゃんはしりとりなんかしたくないでしょ。僕がいつまでもここにいるの…迷惑だろうし」
俊史「迷惑なんて誰も言ってねーだろ!」
歩遊「でも、しりとりもすぐ終わるようにしたし!」
俊史「そ! それは、勝負だから全力で相手しただけだ! お前と全力で遊んだだけだろ!?」←妙に声が裏返る
歩遊「……本当に?」
俊史「本当だ…。分かった、そんなに遊びたいなら、とことんやってやる。覚悟しろよ? やるからには永遠に続けるぞ、しりとり」
歩遊「え? 永遠に!?」
俊史「そうだよ。とりあえず今夜はここに泊まれ。まずは寝るまで続けるからな」
歩遊「そ…そこまで本格的には…(汗)」
俊史「いいからやるぞ! ほら、お前からだ、やれ!」
歩遊「え、えーとえーと、それじゃあ…!」

こうして2人はその夜は一緒のベッドで寝ながらしりとり、さらにその後、1週間以上にわたってしりとりを続けましたとさ。
オチなく終わる(爆)。


【完】