質問10「男2、女1の仲良しさんは、どう見える?」

都内某私立高校。1年女子更衣室での会話。



A美「ねえねえ、真貴。ホントのとこ教えてよ。沢海君と付き合ってるんでしょ?」
橋本「またその話ー? もういい加減にしてよ。違うって言ってるでしょ!」
B美「あたしらにまで隠す事ないじゃない。他のクラスの子とか皆言ってるよ? あんたらが付き合ってるって」
橋本「違うってば! 私、沢海君なんかタイプじゃないから【怒】!」

A美「なんかって何よ、なんかって〜!! 拡ファンクラブ会員が黙っちゃいないよ!?」
橋本「……ちょっと(汗)。いつからそんなもんができてんのよ」
B美「結構前から♪ 会員の子が言ってたよー? 真貴から沢海君に自分のメルアド書いた紙渡してもらおうと思って頼んだのにすっごく冷たい態度で断られたって」

橋本「冷たい態度なんて取ってない! …確かに、メモは断ったけどさ…」
A美「ほらー。やっぱり、自分以外の女を彼に近づけたくないんでしょ?」
橋本「もう、だから違うってば! 大体、私好きな人他にいるもん!」
B美「えー誰? まさか北川君とか言わないよね?」
橋本「……な、何で……」
B美「これもみーんな言ってるよ。真貴が北川君にまとわりつくのって、沢海君と付き合ってるのバレない為のカモフラージュだって」
橋本「も、もう、誰よ!? そんな失礼な事言ってる奴! しまいにゃぶっ飛ばすよ!?」
A美「まあまあ、落ち着いて。だからー真貴が素直に沢海君と付き合ってるって認めればいいんじゃん。そうすれば周りだって静かになるし、あたしらファンだって生暖かく見守る事ができるようになるから」
橋本「……何その生暖かくってのは……(汗)」
B美「さあさあ早く認めて〜」
橋本「だからちがーうっ!!」
A美「じゃあ何でメアド渡してあげなかったの? 彼女でもないのに真貴にそんなん断る資格なんかないじゃん」
橋本「渡してあげる義務もねーだろっ【怒】!!」
B美「やーこわーい。真貴がキレた〜」
橋本「あのね…。ああいうの、前に沢海君から直接言われた事あるの。私が受け取ってきても自分は絶対受け取らないって。だから」
A美「ふーん。じゃ、やっぱり悔しいけどあれなのかな? 沢海君は真貴にぞっこんってやつ」
橋本「だからそれも違うから」(ぐったり)
B美「でも〜。ファンクラブ会員はみんな言ってるよ〜。沢海君のあの輝きは絶対恋をしている男の顔だよ〜って。真貴が近くにいる時はより一層輝いていると思うんだけど〜」
橋本「それは私じゃなくて北川君が傍にいるからでしょ……」(限りなく小声)
A美・B美「えー何聞こえなーい。何て言ったの、今?」
橋本「ぎくっ!! な、何でもないよ、何でも!!」

???「いいい今の聞いた…!?」


橋本「はっ!!」(ぎょっとして声の方を振り返る橋本)

C美「D美会長、今の発言、聞きましたかっ」

D美「勿論聞いたわよっ。E参謀長、貴女はっ!?」
E美「ばっちりとっ。このテープにも録音したわっ。やはり沢海様は…!!」
C美「いやー萌えー!!」
D美「ふっふっふ。やはり真貴の一言一句をマークしていて正解だったわね…!」
E美「さすがは会長っ。今年のイベントのネタも頂きですねっ」
怪しい女子高生たち「うふふふふふふ……!」←ちなみに一番端のロッカーの陰
橋本(……な、何も…何も聞こえてない、知らない〜(涙)!!)



【完】