質問14「恋人のいる友達の部屋って…?」 |
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続・涼一のマンションにて。 涼一「……あぁ? 何だお前かよ」 藤堂「お前かよって。何だよーその冷たい態度は。寝起きか?」 涼一「ああ。さっきまで爆睡。お前は何、突然」 藤堂「親友が突然来たら迷惑かっ。お前は何だってそう素っ気無いんだ。寝ぼけてる時、思いっきり素になってるぞ」 涼一「んー…そんな事もないだろ…」(ふわーとあくび) 藤堂「うわーそれにしても相変わらず綺麗な部屋だなー。あのな、ところで今日はお前ン家泊めてくれ。俺ん所、アキラとかが来るから」 涼一「……お前。お人よしもいい加減にしとけよ。あいつら調子乗ってお前ん所溜まり場にするぞ」 藤堂「もうなってるよ。俺は別にいいよ。賑やかなの好きだし。ただ、今日だけはパスって感じなんだ。いくら俺でも2−2のカップル交えて飲むのは辛すぎる」 涼一「…まあ別にいいけど。あいつも、今夜はバイトだし…」 藤堂「あいつって…彼女か?」 涼一「ん? ああ…」 藤堂「くそー…いつもながら羨ましい奴だな…。何、結構頻繁に来たりすんのか? だから俺らの事、ここにあんま呼んでくんないのか?」 涼一「まあな」 藤堂「けどさー。お前、桐野は呼んでるじゃん。差別だなー。これだって桐野のレポートだろ?」 涼一「あ、あいつ忘れていったのか…」 藤堂「……あれ。お前、よく見たらその着ているTシャツって桐野のじゃないか? 何で…」 涼一「は…? ……あ、あいつが忘れてったから、まあいいかって思ってさ」 藤堂「……本当、仲いいんだな」 涼一「それより、俺また寝るから。昨日、あんまり寝てないんだよな」 藤堂「あ、別に俺には構うな。へへ…AV借りてきたんだ。新作だぜ? 彼女持ちのお前には見せてやらん!」 涼一「いらねえよ、別に…」 藤堂「るんるん♪ おっと、しかし鑑賞会の前に何か飲み物とか用意しようっと。台所入るぞ?」 涼一「好きにしろ」(ふわーとまたあくび) 藤堂「あ、何だこの鍋! あーすげー! うまそう! スープか? すげーな、彼女が作ったのかよ!? あ、あれ…メモが…?」 涼一「は? 何だって?」 藤堂「あー…何かあっためて食えって…。けど…う〜ん? 何かこの字、見た記憶があんだよなあ…」 涼一「雪だろ」 藤堂「あ! そうか、桐野か! そうだそうだ、レポートの字だよ! あれ…って、何で桐野がお前ン家で飯なんか作るんだよ」 涼一「あいつ料理作るの趣味なんだよ。ガキの頃からやってるみたいで。すっげープロ級」 藤堂「へーそうなんだ! すげえ美味そうだもんなあ、これ…」(じゅるり) 涼一「お前、食べるなよ、それ。俺が後で食うんだから」 藤堂「えっ、何だよそれ! 一杯くらいいいじゃねえかよ!」 涼一「駄目。食ったら追い出すぞ」 藤堂「お、鬼だろお前…。ちっ、いいよいいよ! 俺には別のオカズがあんだからよ! もういいや! さっさと再生しよ!」 涼一「音量あんま大きくするなよ? 俺寝るから」(寝室へ入っていく涼一) 藤堂「…フン、冷たい男・涼一君なんか無視無視だぜ。こういう事もあろうかとつまみも買ってきておいたしな! バリバリっと破いて、えーとゴミ箱ゴミ箱、と……。あ……」 涼一「そうだ、藤堂。お前、棚の下のビデオはいじるなよ!」(思い出したように部屋に戻って来た涼一) 藤堂「……おい涼一」 涼一「あ?」 藤堂「お前、昨日彼女来たのか?」 涼一「は、何で? ……ああ、それか。来たよ」 藤堂「こんなもん、居間のゴミ箱に露骨に捨てるなよなー。純情な俺は照れてしまうぞ」 涼一「はっ、そういう柄かよ」 藤堂「けど、俺はともかく桐野なんかはすげー焦りそう。昨日、あいつも来たんだろ? 良かったなあ、鉢合わせしなくてよ。こんな使い捨てのコン○ームなんか見ちゃった日には、あいつも気まずいだろう」 涼一「別にそんな事ないだろ。見慣れてるから」 藤堂「見慣れ…。あ、そういや桐野も彼女いるんだもんな。じゃあ、あいつもこういうの買ってんのか…。何かイマイチ想像できないが」 涼一「くだらない想像すんな! あいつはつけねーよ!」 藤堂「はあ? 何でそんな事お前に分か……」 涼一「もういいだろ、そんな話は! お前はしょーもないエロビデオでも見てろっ!」 藤堂「お、お前…っ。何突然そんなイラついてんだよ…(汗)?」 涼一「イラついてなんかねーよ【怒】!」 藤堂「いっ!? そ、それがイラついてなくて何なんだっ。俺、何か悪い事言ったかっ!?」 涼一「言ってねーよ【怒】! くそ、俺までヘンなこと想像しちまったじゃねーか…! あいつが彼女と何だって…!?」 藤堂「ひ、ひー! 一体何なんだーッ!!」 ここまで来たら気づけよ、藤堂……。 |
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【完】 |