質問18「好きな人を聞き出すには…?」

天気の良い日曜日。沢海拡、予備校の帰り道にて。


C美「あ、沢海君、偶然だね〜」
沢海「え? ああ、本当。みんなってこの辺りに住んでるの?」
D美「んーん。この辺りってねー同人誌いっぱい売ってるからみんなで漁りに来たの〜」
E美「集めているグッズもほら! こんな買っちゃったんだ♪」
沢海「へ、へえ…? 良かったね(苦笑)」
C美「ねーねー、そんな事より、さっき本屋で面白い本見つけたんだ! 沢海君もやってみて。簡単な心理テスト!」
沢海「心理テスト?」
D美「そう。ちょっとした質問から沢海君の好みのおと…女の子のタイプが分かるテストだよ」
E美「やってみてやってみて! 絶対北川く……私は沢海君に似合うのはおとなしくって可愛い子になると思うんだっ!」
沢海「は、はあ…? まあ、いいよ、それくらい。じゃあ訊いてみて」
C美「(きらん!) やった、ありがとー! それじゃあ、問1。『髪の毛は茶色や金など、染めている人の方が明るくて好きである』。イエスかノーか」
沢海「俺は黒い髪の方が好きだな。だからノー」
D美・E美「うんうん、そうでしょうとも〜」(深く頷く2人)
沢海「……!?」←不気味な2人の笑顔に引き気味の拡
C美「問2〜。『2人の間に沈黙があるのは嫌。お喋りな子が好きである』。イエスかノーか」
沢海「ノー。俺、やかましい子って苦手だから」
D美・E美「ぐふふふふ〜」
沢海「ちょ、何…(汗)?」
C美「はいはい、どんどんいきまーす。問3。『年上の色っぽさと同年代の可愛い系。どっちを選ぶ!?』。二者択一〜」
沢海「俺は年上よりは……」
C美「問4〜。『野球とサッカーどっちが好き?』」
沢海「??? ……そりゃまあ…どっちも好きだけど……じゃあ野球…」
C美「『クラスの中心人物よりは陰でこっそりしている子が好き』イエスかノーか」
沢海「うるさいのは…さっき似たような質問なかった?」
C美「ラストのしっつもーん!! ズバリ、『好きな人とは結婚したーい』!!」
沢海「は?」
D美「さあさあ答えて拡君!! 好きな子とは結婚したいの、どうなの?」
E美「ついでにこれにも答えて!! 好きな子には自分の子供は絶対産んで欲しいか否か!?」
沢海「ど、どうしたんだよ、そんな3人がかりで迫って…(汗)!」
おたく女ども「いいから答えて〜!!」
沢海「……。俺は別にそういうのは…。俺が好きだって気持ちさえあれば・・・結婚だとか子供だとか・・・そんなの、全然興味ないよ」
おたく女ども「………!!!」
沢海「一体何なの? そんな質問で好みのタイプなんて分かるの?」
D美「そ、そ、それはもう…分かり過ぎるほどに…!」
E美「はあはあ……!」←既に妄想開始
C美「テストの診断結果が出ました。ズバリ、貴方にふさわしいタイプはこの子!!」
沢海「ん……?」
C美「それ、あげるね!! 私たちが必死の思いで腕を磨いて撮った最高の1ショットだよ!!」
D美「安心して! 隠れトモ君ファンクラブ会員として、その貴重なお宝を他の誰にも渡したりはしないわ!! これは勿論、私たちだけのひ・み・つ♪」
おたく女ども「じゃ〜ね〜♪」
沢海「………」


それは白い二の腕が眩しい、友之の体育の様子を撮ったものだった……。
しかも何か際どい。←何がだ


沢海「な、何なんだこれは…(汗)!」
数馬「なーに、それっ!!」(突然背後から現れひょいと覗き見る数馬)
沢海「はっ!!」
数馬「……はああ〜? ちょっとぉ〜」(奪い取ってまじまじと写真を見る数馬)
沢海「か、返せ、お前(焦)!!」
数馬「………やっばいなあ、拡クン。キミ、トモ君を追いかけるだけじゃなくてこんな隠し撮りまでしてたわけ? ちょっとキミの事、誤解してたみたい、ボク」
沢海「ば、馬鹿な事言うな!! いいから返せって!!」
数馬「いや〜でもこれなかなかいいね! かなりうまいじゃん、このボクが認めてあげるんだから相当なもんだよ。どこで修行したのさ?」
沢海「知るかっ!! お、俺だってノーマークだったんだから…!!」←拡的に不覚らしい


おたく女ども「フッ、私たちはこういう事に関しては努力を惜しまないのよ…!」



【完】