質問21「友達に仲介されるのはお好き?」 |
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構内の学生食堂。サークル仲間との会話。 B子「剣君、最近全然私らと遊んでくれないねー」 涼一「え? 別にそんな事もないだろ」 藤堂「いーや、お前の付き合いの悪さは天下一品だね。大学入ってからホントひでーぞ」 B子「そうだよ〜。彼女もいいけど、私たちとの付き合いも大切にしてよ」 涼一「してるって」 逢坂「ういーっす」 藤堂「お。康久、午後出勤かよ。いいご身分だなあ」 逢坂「いや〜昨日はホント参った。A子に散々愚痴聞かされてさ。あいつ、来てないの?」 B子「A子、来てないよ。メールだけ来たけど、もうボロボロっぽい。そっか、逢坂君に愚痴ってたんだ」 逢坂「あいつ超酒癖悪ィ。マジ犯されそうになったし」 藤堂「おか…」 B子「あはは〜! それ分かる! あの子キス魔なんだよね。酔っ払うとすぐやるの! でもね、あれって気に入った奴にしかしないって言ってたよ。逢坂君、好かれてるんじゃん」 逢坂「ぐえ。勘弁しろよ。男と喧嘩した後泣きついてきてそーゆーのって俺は好かん」 B子「え〜。じゃあ、昨夜はHしてないの? 一晩一緒にいて?」 逢坂「するかっ! 何だお前! 俺は汚れてるお前らと違って健全なんだよ!」 B子「何よも〜その言い方。でもA子が逢坂君に気があるのは本当だよ。あの彼氏とももうホント限界らしいし、付き合えばいいじゃん。ね、藤堂君?」 藤堂「あー…。な、何か俺はお前らの会話には入れない(汗)。複雑そうなので…」 B子「どこが複雑なのよ〜? A子の彼氏、ホント傲慢で気に食わない事あると時々手もあげるって言うしさ。本当最低なんだよ! 男の暴力って最悪じゃない?」 逢坂「まあ…な。それは俺もあいつの話聞いて同情したけど」 B子「でしょ!? だから〜、逢坂君みたいな彼氏ができたらA子も立ち直ると思うんだ。逢坂君って軽そうに見えてなかなか硬派じゃん?」 逢坂「知るか」 藤堂「…あー…俺も一応硬派…」 B子「ね、逢坂君、A子の彼氏からA子を奪っちゃってよ! そんで2人でラブラブになるの! 万年彼女募集中の身だって前言ってたじゃん!」 逢坂「ほっとけ!」 藤堂「…あー…俺も万年彼女募集中…」 B子「ねー何で? 何でそんな乗り気じゃないのー? A子超美人じゃん。逢坂君の好みでしょ?」 逢坂「違う。俺の好みは酔っ払った勢いで迫ってくるような女じゃない。もっと奥ゆかしくって大人しい子がいいんだ」 B子「……何それ随分具体的だね。もしかして逢坂君、好きな子できたの?」 逢坂「えっ!? い、いや…まあ、な…」(ちらと涼一を見る) B子「えーそうなのー! びっくり! 誰誰私の知ってる人ー!?」 逢坂「煩ェなっ。な、内緒なんだよ、そういう事は!」 B子「えー何でー! ねえねえ、剣君は知ってた!?」 涼一「………」(ぼへーっと窓の外を見つめている) 藤堂「いや〜俺も知らなかったなあ。おい康久、一体どんな子なんだよ?」 逢坂「ん…そ、それはそのう…。ま、まだ確信を持ってるわけじゃないけど…」(オドオドと涼一を見る) 藤堂「おいおい何勿体ぶってんだよー。教えろよ、可愛い子か?」 逢坂「そ、そりゃもう…」(びくびくと涼一を見る) B子「……? ねえ、剣君。さっきから黙ってるけど、どうしたの?」 涼一「……んあ? はっ、何? 悪い、聞いてなかった。何話してた?」 藤堂「おいおい、お前な…」 B子「やだもー何ぼーっとしてたの? 全然話聞いてなかったの?」 涼一「うん」 藤堂「うんって…」 B子「あーあ、剣君はいつでも彼女の事で頭がいっぱいなんだね」 涼一「ん? んー…まあそうだな」(得意気) 逢坂「………」 藤堂「あーあー! やってらんねー!」 逢坂「そ、そういえば涼一、今日はその…桐野はどうしたんだ?」 涼一「…あ?」(ぎらりと不機嫌そうな目を逢坂に向ける) 逢坂「……っ!」(びくうっ) 藤堂「桐野は選択必修の講義だよ。そういやお前もあの授業取ってなかったか?」 逢坂「えっ、何それ!? お、俺、桐野と2人っきりの講義なんて取ってたっけ!?」 B子「2人っきりって…何ソレ、ヘンな言い方(笑)」 藤堂「取ってるよ。くだらなすぎるからもう出ねーとか言って最初の1回で放棄したやつな。桐野は真面目だからどんな講義もちゃんと出るんだよな」 逢坂「マ、マ、マジか…。そ、そんなおいし……はっ!」 涼一「………」(ジロリ) 逢坂「い、いやっ…何でも…ないけど…!」 藤堂「?」 B子「……? ねー、そんな事よりA子の話だよ。ね、剣君はどう思う? A子と逢坂君ってお似合いだと思わない?」 逢坂「だから俺は…!」 涼一「……ああ何だ、そういう話か。うん、すっげー似合う。もうめちゃくちゃぴったり」 逢坂「!!!」 B子「わっ、やっぱりそう思う? そうだよねー? 2人前から仲良かったし。絶対イイ感じだよね?」 涼一「ああ、絶対イイ感じ。何だよ、くっつきそうでくっつかないの? 協力してやろーか?」 逢坂「な…っ!」 B子「わー本当!? A子が聞いたら喜ぶよー! 剣君が協力してくれたら絶対2人うまくいく!」 逢坂「こ、こ、こら…ちょっと待て…」 涼一「そーと決まったら善は急げだ。A子に連絡取れる? 飲み行くか? 俺、思いっきり盛り上げてやるからさ!」 B子「きゃー剣君がすごいやる気になってるー!」 逢坂「あ、悪魔かお前ら……」(あんぐり) 藤堂「……何だよ俺だって親友なのに。俺にも誰かとの橋渡ししてくれよ…」(ぽっつーん) |
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【完】 |