質問25「ダブルブッキング・貴方ならどうする?」 |
※別にトモがブッキングさせたわけじゃないのに…。★ |
放課後。友之の高校・校門前―。 正人「よぉ、トモ」 友之「あ…正兄…?」 正人「何びっくりした顔してんだ。俺がお前の学校来たらおかしいか? 車はちゃんとしたとこに停めてあるから安心しろ」 友之「仕事…帰り、なの…?」 正人「まぁな。今日、コウの奴はバイトで遅くなんだろ?」 友之「………」(黙ってこっくりと頷く友之) 正人「お前もいつまでもガキじゃねーんだし、1人の時くらいメシの支度しろと言いたいとこだけどよ。コウに頼まれてたからな。暇な時でいいからお前がメシ食ってるか見てくれってよ」 友之「コウ兄が…」 正人「ああ。俺も今からメシ食いに行くからよ。ラーメンでいいだろ?」 友之「え……」 正人「……あんだよ。お前は俺と2人じゃメシが食えないってのか?」 友之「あ…ちが…」 修司「トーモっ!! そ〜んな無理して嘘つかなくていいんだよ?」 友之「修兄!」 正人「なっ…!? 修司、テメエは何でこんな所にいるんだ…ッ!」 修司「何って。コウ君いなくて寂しいトモにエサと愛情与えに来たに決まってるでしょが」 正人「エ…エサ、だあ…!? テメエ、コイツはテメエのペットでも何でもねーぞっ!!」 修司「当たり前でしょ。トモは俺とコウ君の愛の結晶だもん。ね、ト〜モ?」 友之「え、え…?」 正人「〜〜〜!!」←発狂寸前 修司「くくっ…。正人君をからかうのはホントに楽しいなあ」 友之「………」(オロオロしたように2人を交互に見る友之) 正人「……トモ、来い。行くぞ」 友之「え…」 修司「こらこら何その横暴っぷりは。何で正人君がトモを連れてっちゃうワケ? 俺だってコウ君に頼まれてんだけど? 自分がいない時はトモ構ってやってってさ」 正人「テメエみたいなのに任せられるわけねーだろッ! 危なっかしくて―!」 友之「………?」 修司「……(笑)。何? 何を想像してるのかなあ、正人兄さんは」 正人「ぐっ…。と、とにかくトモ! いいからお前は俺と来いっ」 修司「そんなの却ってトモが可哀想だろ? 何が悲しくてこんなおっかないお兄さんと2人っきりにならなきゃいけないんだよ、なあトモ?」 友之「あっ…修兄、苦し…っ」 正人「!!! ここここら!! テメエ! 友之から離れろ!!」 修司「はあ? スキンシップでしょ、ただの。は〜トモはいつ抱きしめても抱き心地がいいなあ」 友之「修兄…っ」 修司「ん? ああ、ごめんごめん。ちょっと強く抱きしめ過ぎちゃった? 思いもかけずこんな邪魔者がいたからさすがの修兄ちゃんも焦っちゃったんだよ」 友之「……っ。だ、大丈夫。修兄、今日はもう何処へも行かないの?」 修司「ん? うん、行かないよ。だってトモとご飯食べに行こうって思ってたんだもん。美味しい物おごってあげるよ」 正人「こら…テメエ…」 修司「こんな強面はほっといてトモ行こ? バイクで来たから後ろ乗っけてあげる」 正人「!! 待てテメエ!! そんなん絶対ェ許さねーぞ!!」 修司「……何で」 正人「何でじゃねーよバカ野郎!! 事故ったらどうすんだ!! 死ぬなら1人で勝手に死ね!!」 修司「……ふ、やっぱり正人君は優しいね」 正人「ああ!?」 修司「人間なんて幾ら気をつけてたって死ぬ時は死ぬと思うけど」 正人「……ッ!!」 修司「―なんて、ね。冗談だよ。俺、今日歩き。正人がどういう態度取るか見たくて言っただけ」 正人「な……」 修司「大体、トモをそんな危ない目に遭わせたら光一郎に殺されるだろ」 正人「ち……ホント分かんねえ奴だ……」 修司「お、ありがとう」 正人「誉めてねえっ!!」 友之「………」 修司「あ。トモ、置いてきぼりにしてごめんな? つまんなかった?」 友之「あ…ううん…」 修司「そっか。良かった。それでトモは俺と正人とどっちとメシ食いに行きたい?」 友之「え…?」 修司「言っておくけど俺たちお互いの事大嫌いなの、トモも知ってるよな? 3人で行こうなんてバカな事言っちゃ駄目だよ?」 友之「でも…」 正人「ちっ…。おいトモ。お前がこのバカに懐いてるのは知ってるけどな。お前の為に言ってやってんだ。そいつには近づくな」 友之「………」 正人「そいつは、ホントどうしようもない悪党だぞ」 修司「お前みたいな偽善者に言われたくねーよ」 正人「ああ!? やんのか、テメエ!!」 修司「煩い喚くな。トモが困ってるだろが」 正人「けっ、地、出しやがって。おいトモ、どうすんだ? 俺と行くのか行かないのか!?」 修司「トモ、あんなのの脅しに怯えなくても大丈夫だよ。修兄ちゃんが守ってあげるから」 友之「………」 修司「ん……うわー…トモは泣きそうに困った顔がまた可愛いなぁ…」 正人「〜〜! おいトモ、何でそんな…っ」 友之「僕……で、…………食べる」 修司・正人「え?」 友之「僕、家でカップラーメン食べるから……」 修司・正人「はあ?」 友之「……ごめんなさい」 修司「はあ。カップラーメン?」 正人「………」 友之「1人でも大丈夫だから……」 正人「トモ…」 修司「ふ……。あーあ、フラれちゃった。正人君のせいだぜ」 正人「どっちが…!」 友之「あ…っ!」(「やめて」オーラ全開) 修司「…………」 正人「…………」 友之「修兄も正兄も…ありがとう……」 修司(はー可愛いな〜もうvv) 正人(くそっ……俺は今何を考えてたんだ…!) ……というわけで、勝負はイーブンにて閉幕。 |
★ |
【完】 |