質問31「一度はやりたい? 3Pごっこ」

学校の図書室にて。


友之「あの…数馬」
数馬「……何?」
友之「あの…」
数馬「もー何なの? 今すっげー面白いとこ読んでんだから邪魔しないでくれる?」
友之「だって…ここうちの学校の図書室…」
数馬「だから? 君が宿題なんてちょろいもんをさっさと終わらせないから、このボクがこんな所で待つハメに陥ってるんじゃない。何をぶつくさ言ってるのさ」
沢海「誰も待っててくれなんて言ってないだろ」
友之「あ、拡…」
沢海「ごめん友之、待ったか? 委員の仕事が長引いちゃってさ」
友之「ううん…。平気」
数馬「あーあ、何拡クン。君も来ちゃったの? 君ってボクがここに来る時、決まって現れるね。友之のストーカー、まだ卒業してないんだ」
沢海「その台詞、そっくりそのまま返してやるよ! 毎回人の高校に図々しく入ってきて…友之だって迷惑してるだろ!」
数馬「トモ君は別に迷惑なんかしてないよ。ねえ、トモ君?」
友之「え…」
沢海「いいんだ友之、わざわざ答えなくて。こんな奴は無視してさっさと始めよう」
数馬「ナニナニ、何の宿題なの。さっきからこの人ノートを開いたはいいけど、全然進んでないんだよ。ぴたーって手止めたまま教科書ばっか眺めちゃってさ。あんまり退屈だったから1人読書してたのボク」
沢海「…ああ、そうかよ」
友之「あの…」
沢海「友之、気にするな。分かんないとこあったんだろ? どこだ?」
友之「えっと…」
数馬「少しは自力で解いてみろっての」
友之「………」
沢海「数馬!」
数馬「何」
沢海「お前、帰れよ」
数馬「ヤだよ〜。だってこの後トモ君と遊ぶんだもん。光一郎さんの許可も貰ってるしね」
沢海「え……」
数馬「光一郎さん、今日は帰れないんだって。だから1人寂しいトモ君のお守り役を仰せつかったってわけ」
沢海「別に…お前が光一郎さんに頼まれたわけじゃないだろ、偶々お前が―」
数馬「そうだとしても今日泊まっていいって言われたのはボクだからね」
沢海「………」
数馬「……(笑)。拡クンってホント分かりやすいよね。あーすっげー悪人の気持ち、今」
沢海「……元々悪人だろ、お前は」
数馬「ふ…何言ってんの? ボクほど善良な一般市民も珍しいよ。だから教えてあげたでショ。ボクがお泊りするってこと」
沢海「それが…」
数馬「何だって言うんだ、なんて言わないでよ。でもさあ、ボクも大概ムカついてんだよね。だって光一郎さん、あっさり『いい』って言うんだもん。俺はそんなに安全な男かよってツッコミ入れたくなっちゃうね」
沢海「お前なんか敵じゃないってことだろ…」
数馬「んじゃキミはどうなわけ」
沢海「俺が…何だよ」
数馬「悔しくない? ガキ扱いされてんだよ。俺たち、友之の体のいいオトモダチだって」
沢海「そんなの…」
友之「……? あの…」
数馬「煩い。友之はちょっと黙ってなさい。ねえ、どうなのさ拡クン。ここは1つ、高校生でも面白い遊びができるんだってところを見せようじゃないの。俺たちを甘く見たバツってね」
沢海「お、お前…? 一体何を企んでるんだ?」
数馬「別に。ただボクは親切だからさ。1人で遊ぶより2人で遊ぶのもいいかなって誘ってるわけ。君のその毎日の健気な奉仕にも少しは頭が下がるしね」
沢海「一体何の話…」
数馬「だからー。3Pごっこだよ3Pごっこ! 『ごっこ』ってつけてるとこがボクもまだ優しいでしょ。何せ、いきなりだとこの人泣いちゃう可能性もあるしさ」
沢海「数馬…お前、何…何を…!」(赤面)
数馬「2人でトモ君いただいちゃおう?」(こっそり耳打ち)
沢海「ばっ…!」
友之「さっきから…何の話してるの…?」
数馬「えー今日のお泊り会の話。ねートモ君、拡クンもキミン家泊まりたいんだって。どうする?」
沢海「なっ…! 俺は別に何も―!」
友之「拡も来てくれるの?」
沢海「えっ…」
友之「来てくれたら…嬉しいけど」
沢海「………」←石化
数馬「行くってさ。拡クンもトモ君といちゃいちゃしたいって」
友之「え…」
沢海「この馬鹿っ! と、とと友之っ、気にするな、こんな奴の言う事(焦)!」
数馬「へ〜そういう風に言いますか。本当は嬉しいくせに♪」
沢海「黙れっ。お、俺はお前が友之に何やらかすか心配だから…っ。そ、そうだ、だから行くんだ! か、勘違いするなよ!?」
数馬「えー3人でお風呂入ったりしよーよー」
沢海「〜〜〜!!」
友之「あ……数馬」
数馬「んー何?」
友之「あの、正兄も来るよ」
数馬「………は?」
沢海「え?」
数馬「……あのさ。トモ君。キミ、何言ってんの?」
友之「だから…正兄も来てくれるんだ…。お弁当、買ってきてくれるって。コウ兄から聞いたって。今日、数馬が来るって言ったら、2人じゃ心配だから来てくれるって…」
数馬「………」
友之「ご飯くらい作れるから心配しなくていいって言ったんだけど…」
数馬「……あー…萎えた」
沢海「そんなこったろうと思ったよ…」(何気にガッカリ)
友之「拡の分のお弁当も頼まないとだけど…。正兄、今携帯繋がるかな…?」



【完】