質問2「怒ってるの? 照れてるの?」

大学サークル仲間との会話。溜まり場にて。



仲間A「うっわ、お前それ最悪〜(笑)!」
仲間B「何でだよ! だってそれって男の浪漫だろーが! フツーはよぉ…」
仲間A「いやそれ俺は分からない。なあ、藤堂と涼一は?」
藤堂「は? あ、聞いてなかった。何の話してたんだ?」
仲間A「こいつ、彼女にえげつないおねだりしてはたかれたんだってさ」
仲間B「だから何でえげつないんだよ! 付き合ってんだぜ、俺ら!」
藤堂「だから何をおねだりしたんだよ?」
仲間A「……(笑)。だから。フェラだよ。俺の咥えて〜って♪」
仲間B「お前〜何かそれヤだぞ。恥ずかしい言い方すんなよっ」
仲間A「他にどんな言い方があるっつーんだ。所詮フェラ○オだろうが」
藤堂「………!!」
仲間A「お前は勘違いしてるよ。女でも〜それを好きでやってくれる奴と異様に嫌悪する奴といるってのを知るべきだ」
仲間B「俺には理解できないね。何でキョゼツされなきゃなんねーんだよ。だっていつも同じだと飽きねえ? 俺は2人のマンネリセックスに刺激を作ろうとだな…」
藤堂「信じられねー。俺は絶対言えねえ…」(半ば尊敬の眼差し)
仲間A「だろ? 俺もよっぽどのノリがないとなあ…。ましてやコイツみたいに当然のように言われたら彼女もハラが立つだろうよ」
仲間B「ええ〜? もう何でだよ、お前らおかしいんじゃないのー! 分かった、普段からヤらせてももらえないから欲求そのものが貧しいんだ」
仲間A「うっ、ヤな奴〜。どうせ俺は別れたばっかだよ」
藤堂「俺なんかフラれてばっかだよ」(やさぐれ)
仲間B「こんなモテない君共に用はねえ! 俺は真剣に悩んでんだからよ。なあなあ涼一! お前の意見は?」
涼一「………んあ?」(ぼーっ)
仲間B「………何なの、これ(汗)?」(藤堂を振り返って)
藤堂「知らん。今日は会った時からこんなだった。多分彼女と喧嘩したんだろう」
仲間A「また? だってコイツ、この間俺らとの約束すっぽかして彼女と一緒にいたんだろ?」
藤堂「そうなんだけどよ…。何かあの日からおかしいんだよな。多分その日に何か彼女を怒らせるような事したんじゃないのかな」
仲間B「何だよ何だよ。天下の剣涼一クンともあろう男が。女1人に翻弄されてんの〜? なあ涼一、元気出せって。女なんて星の数ほどいんだろ〜?」
涼一「………あ?」
仲間B「うっ…その殺気だった眼をやめろ(怯)。ホント、どうしたんだよ。彼女怒らせたのか」
涼一「煩ェな……」
仲間A「……(こ、怖い)。あ、そういえば今日は桐野は? あいつならこの不機嫌君を抑えられるんじゃねーの?」
藤堂「それが今日は見ないんだよな。なあ涼一、桐野は?」
涼一「(ぴくっ!!)……何だ、雪がどうした!?」
藤堂「いやどうしたって…(汗)。俺らが聞いてんだけど?」
涼一「何だ…。知らねーよ…。今日は電話にも出てくんねーもん…」
仲間A「? 出てくんねーって…。お前、もしかして彼女とだけじゃなくて桐野とも喧嘩してんのか?」
仲間B「大方、またおとなしい桐野に八つ当たりでもしたんじゃねーの」
藤堂「涼一、本当どうしたんだよ。あの桐野を怒らせるなんて相当だぞー。またとんでもない我がまま言ったんじゃねえのか?」
涼一「……別に…俺は……」
仲間B「……ま、まあまあ。涼一〜元気出せよ。俺もさ、さっきのような理由で今彼女と険悪なのよ。たまには男同士でぱーっと飲みにでも行こうぜ!」
涼一「……さっきのような理由って何だ?」
仲間B「……コイツは何も聞いてねえし(呆)」
仲間A「涼一、面白いから聞けよ。コイツ、彼女にフェラ強請って嫌われてんの〜」
涼一「は…!?」(ぎくっ)
仲間B「だから嫌われたんじゃねーって! きっと照れたんだよ!」
仲間A「どうだか〜(笑)」


涼一「本当か……!?」


一同「………へ?」
涼一「だからその照れたとかそういうの…! 本当にそれだけだと思うか!? 嫌われたとかじゃないかな!?」
仲間B「え…? いや、まあ…。だって俺らもう1年も付き合ってるし…多分そうじゃないかなあと…」←引き気味
涼一「そ、そうだよな。そうだよな…! きっと怒ってないよな…!」
藤堂「……おい、涼一(汗)。お前やっぱり彼女と喧嘩してたのか?」
仲間A「しかも理由がBと一緒だったりして?」
涼一「は、何が? あ、俺今日はもうこれで帰るわ。雪、多分バイトに出てるんだろーし。バイト先行ってくるからさ!」
一同「はあ……?」
涼一「じゃあな! またな!」(だだだだだー!!!)


パタン……。←部室のドアが閉まる音


藤堂「あれ……? なあ、涼一は彼女と喧嘩してんだっけ?」
仲間B「あれ、桐野とじゃなかったっけ?」
藤堂「ああ、両方か? あいつってホント我がままだからさ…」



仲間A(…………まさか、な)



【完】