あの窓を開けたら


  ―後記―



  後記書いている暇あるならさっさとあげた方が良いんじゃ…的な時間になっております。土曜は休みとはいえ、毎週金曜=貫徹が習慣化した不健康な半年間でした。いや、いつでも不健康な生活なんですけど。
  今までも毎週連載という形を取って書いていた長編はありますが、こんなに何回も「もう書くのやめたい〜」、「辛い〜」ともがいた話は初めてです(笑)。最初は確か○○万記念と銘打って(数字は忘れました…)キリ番リクエストを募った際に、「おまけページのお兄さんが良いので、お兄さんが出てくるツキトシリーズの続編を!」と言って頂けたので、気楽な感じに書き始めました。
  ツキトの兄姉、太樹と陽子というのは、そもそも最初に短編を書いていた頃からぼんやりと設定だけはあったのです。「息子に月という名前をつけるんだから、この親には太陽にちなんだ子供もいるに違いない!じゃあ兄と姉ね!」という風に…。自信満々出来た兄姉=太陽に、卑屈に暗くなってく弟=月っていう、ただそれだけの設定ではありましたが。
  それを連載が終わった後、おまけページにちらっと書いたら、思いの他太樹の人気が出たので連載に登場…という流れになったのです。とても嬉しい気持ちでした。もともと兄弟ネタが好きなので…。
  でも、このお話の本命攻めは志井なわけです。最初こそライバルが優勢というのはお決まりというかお約束というかなので、私も例に漏れず太樹に活躍させていたのですが…。書きながら途中で「ああ、失敗した」と思いました。兄のキャラが強くて志井が目立たなくなってしまい、人気も、どちらが多くあったのかは分かりませんが、少なくとも兄プッシュの方の方が熱烈だという風に感じていました(頂いた感想の数や猛烈アピールなどから勝手にそう感じてただけなんですが…笑)。
  で、もうそうなると後半につれて書くのがどんどん辛くなるわけです。だってこのお話は三角関係で、必ずどっちかは報われない。で、この場合報われないのは兄。なのに兄は人気。しかもそれに比例するように志井とツキトに対する評判がどんどん落ち始めたので、その度にもがきました。今までもうじうじとした主人公ばかり書いていたので、その度に友之も雪也も「イライラする!」とか「好きになれない!」とは言われていたのですが、今回はカップル一緒に叩かれてるから笑うしかありません(笑)。その度に、あ〜志井とツキト、もっとうまく書いてあげれば良かったと毎週後悔してました。それにやっぱり、一部の読者様には不本意な結末であったろうと思うと、楽しんでもらう為にサイト作って小説アップしている身としては、この連載本当に駄目じゃんと自問し続けた日々でした。
  そうは言っても、やっぱり悩んだり立ち止まったり、うじうじしたり。結局言いたい事言えなかったり…傍目から見たら「あほー!」としか言い様がなかったり。そんな人しか主役として思いつかないんだろうなとは思うんですけどね(汗)。
  愚痴のようなあとがきになってますが(笑)、でもこれが半年間私が抱えていた鬱屈です。
  そんな暗くて立ち止まってばかりの迷い小説を最後まで読んで下さった皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。色々なご意見を頂けたから迷いながらも最後まで書けたし、小説についてちょっと考える機会も貰えました(適当過ぎた自分を反省)。辛抱強く志井とツキトを応援して下さった読者様、そして途中から報われない事が分かって悲しいのに「でもこの作品が好き」と言って下さった兄贔屓の読者様、本当にありがとうございました。今は清々しい気持ちでいっぱいでございます!終わった〜!と叫び出したい(笑)。


  とか言いつつ…。実は90万企画の遊技場特典を取得した方のリクエストがこのツキトシリーズの「太樹×月人」だったりするので(笑)。もう少しだけツキトシリーズモードで、今度は報われる兄を書きたいと思います!暫しお待ちを。

  それでは、これからアップ作業を開始します。いつも遅くてすみませんでした!



2006.10.27 上総 実




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