「ひとりでも歩ける」〜主な登場人物〜

登場人物 年齢等 付記
北川 友之(きたがわ ともゆき) 16歳・高校2年 本編の主人公。大人しいが何事も前向きな少年。光一郎を心の拠り所にしている。
北川 光一郎(きたがわ こういちろう) 20歳・大学3年 友之の周囲も認める完璧な兄。常に自分を殺し、内に秘めたものを明かさない。
神部 裕子(かんべ ゆうこ) 20歳・大学3年 北川兄弟の幼馴染。最近、友之から「子離れ」しようと躍起になっている。
中原 正人(なかはら まさと) 20歳・配送会社勤務 言葉は荒いが心優しい光一郎の親友。「友之構いたい病」に悩み、もがいている。
香坂 数馬(こうさか かずま) 16歳・高校2年 眉目秀麗、頭脳明晰な毒舌家。友之の事は「友達だなんて思ってない」。
荒城 修司(あらき しゅうじ) 20歳・フリーター 放浪癖のある光一郎の親友。友之に対して愛憎入り乱れた感情を抱く。
北川 夕実(きたがわ ゆみ) 17歳・フリーター 友之の姉。現在は行方不明。(光一郎だけは居場所を知っているらしい)
沢海 拡(さわうみ ひろむ) 16歳・高校2年 友之の中学時代からの友人。友之をとても大切に想っている。
橋本 真貴(はしもと まき) 17歳・高校2年 友之と同じ学校の生徒。割とはちゃめちゃだがしっかり者。友之の事が大好き。
進藤 由真(しんどう ゆま) 17歳・高校3年 駅前の写真屋でバイトをする元気娘。修司にフラれたがまだ多少引きずっている。
新垣 光次(あらがき こうじ) 15歳・高校1年 光一郎と夕実の実弟(父親は違う)。親元を離れ、寮生活をしている。
※人物紹介欄は今後随時増える可能性あり。
※設定が4月なので、誕生日が来ている橋本以外、年齢はそのままです。


〜解説〜

友之は姉・夕実から執拗な束縛を受け続けた事で、他者とのうまい関わり方を知らない陰鬱的な少年として育った。
けれど父の再婚を機に共に暮らすようになった兄・光一郎と互いの距離を縮める事によって、今では少しずつ「変わろう」と努力している。
友之にとって光一郎は掛け替えのない大切な兄であり、また父親代わりでもあり―…恋人でもある。

一方、光一郎はそういった三種の役割を求められる事に抵抗を感じており、そのくせそれを「率先して」こなしてしまう己に嫌悪している。

また、これまで友之に対し、それこそ家族のように親身に接してきた人々も、友之の変化に応じて自分自身を見つめ返すようになる。
中でも、これまで「北川兄弟1の理解者」であったはずの修司は、徐々にその翳の部分を友之に見せるようになり―…。

今までは自分の事、姉の夕実、兄の光一郎の事ばかりだった友之。

他者と深く関わりたい、外へ目を向けたいと強く願う事によって新たに見えてきたもの。また、乗り越えなくてはならないもの。
学年も上がり、また1つ成長していく(かもしれない)友之のゆっくりとした歩みを書いたお話です。