「ひとりでも歩ける」〜主な登場人物〜
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〜解説〜 友之は姉・夕実から執拗な束縛を受け続けた事で、他者とのうまい関わり方を知らない陰鬱的な少年として育った。 けれど父の再婚を機に共に暮らすようになった兄・光一郎と互いの距離を縮める事によって、今では少しずつ「変わろう」と努力している。 友之にとって光一郎は掛け替えのない大切な兄であり、また父親代わりでもあり―…恋人でもある。 一方、光一郎はそういった三種の役割を求められる事に抵抗を感じており、そのくせそれを「率先して」こなしてしまう己に嫌悪している。 また、これまで友之に対し、それこそ家族のように親身に接してきた人々も、友之の変化に応じて自分自身を見つめ返すようになる。 中でも、これまで「北川兄弟1の理解者」であったはずの修司は、徐々にその翳の部分を友之に見せるようになり―…。 今までは自分の事、姉の夕実、兄の光一郎の事ばかりだった友之。 他者と深く関わりたい、外へ目を向けたいと強く願う事によって新たに見えてきたもの。また、乗り越えなくてはならないもの。 学年も上がり、また1つ成長していく(かもしれない)友之のゆっくりとした歩みを書いたお話です。 |