「流れるように、眠るように」〜主な登場人物〜
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〜解説〜 北川友之は幼少時より姉である夕実の執拗な束縛のせいもあって、無口で自己表現が下手な少年だった。 また父の再婚を機に共に暮らすようになった兄の光一郎に対しても、当初はうまく接する事ができずにいた。 それでも、光一郎が自分にとってとても大切な家族であること。絶対に必要な存在であることなど。 友之は一つ一つの事柄を、周囲の人々と関わる事によって確信していった。 そうして、自分のことを好きだと言ってくれた光一郎とずっと一緒にいたいと願った。 けれど当の光一郎や、友之に対しいつも厳しい態度を取る数馬は、友之のその願いに対して同じような事を言った。 友之の光一郎に対する「好き」は、光一郎が友之に抱くそれとは違うものなのだと。 変わりたい、変われないと苦しむ事はあっても、友之は光一郎と一緒にいられるだけで幸せだった。 そして光一郎も同じように感じていてくれればと思っていたのだが…。 |