「流れるように、眠るように」〜主な登場人物〜

登場人物 年齢等 付記
北川 友之(きたがわ ともゆき) 15歳・高校1年 本編の主人公。無口で大人しい少年。光一郎を心の拠り所にしている。
北川 光一郎(きたがわ こういちろう) 20歳・大学2年 友之の周囲も認める完璧な兄。常に自分を殺し、内に秘めたものを明かさない。
神部 裕子(かんべ ゆうこ) 20歳・大学2年 北川兄弟の幼馴染。修司と付き合っているが、昔から光一郎に想いを寄せている。
中原 正人(なかはら まさと) 20歳・トラック運転手 元ヤンな光一郎の親友。友之に対しては自らも兄のような気持ちでいる。
香坂 数馬(こうさか かずま) 16歳・高校1年生 眉目秀麗、頭脳明晰の毒舌家。洞察力はピカ一で唯一友之に厳しく物を言える人。
荒城 修司(あらき しゅうじ) 20歳・フリーター 放浪癖のある光一郎の親友。北川兄弟の良き理解者であり、1番身近な存在。
北川 夕実(きたがわ ゆみ) 17歳・フリーター 友之の姉。現在は行方不明。(光一郎だけは居場所を知っているらしい)
沢海 拡(さわうみ ひろむ) 16歳・高校1年 友之のクラスメイト。友之のことを大切に想っている。
橋本 真貴(はしもと まき) 16歳・高校1年 友之のクラスメイト。割とはちゃめちゃだが、しっかり者。
進藤 由真(しんどう ゆま) 17歳・高校2年 駅前の写真屋でバイトをする元気娘。修司にフラれたがまだ多少引きずっている。
新垣 澄子(あらがき すみこ) 48歳・会社員 光一郎と夕実の実母。


〜解説〜

北川友之は幼少時より姉である夕実の執拗な束縛のせいもあって、無口で自己表現が下手な少年だった。
また父の再婚を機に共に暮らすようになった兄の光一郎に対しても、当初はうまく接する事ができずにいた。
それでも、光一郎が自分にとってとても大切な家族であること。絶対に必要な存在であることなど。
友之は一つ一つの事柄を、周囲の人々と関わる事によって確信していった。
そうして、自分のことを好きだと言ってくれた光一郎とずっと一緒にいたいと願った。
けれど当の光一郎や、友之に対しいつも厳しい態度を取る数馬は、友之のその願いに対して同じような事を言った。

友之の光一郎に対する「好き」は、光一郎が友之に抱くそれとは違うものなのだと。

変わりたい、変われないと苦しむ事はあっても、友之は光一郎と一緒にいられるだけで幸せだった。
そして光一郎も同じように感じていてくれればと思っていたのだが…。