あとがき…


  何と言いますか、私は男であれ女であれ、不器用な人が好きです。自分の考えている事をうまく表に出せなくて、常に逡巡しているような人。そうこうしているうちに自分が本当に考えている事は一体何だったろうかと、それすら分からなくなって苦しみ出しちゃう人とか(それって…)。
  人の好みは千差万別、これには賛否両論あると思うのですが、とりあえず私はそういう人間に親近感を持つのです。必死だからこそ苦しむわけで…何にしろ一生懸命な人ってカッコいいですよね!?

  だからというかで、トモやコウ兄さんは「お前、それおかしいだろ」ってほどに自分の考えを押し殺したりうまく相手に想いを告げられなかったり…。いい加減にしろやーという程陰鬱として、だからお話自体もとんでもなくだらだらした展開になっちゃったわけなのですが…。でも2人は今まで家族として寄り添っていたわけですし。そんな2人がああやってくっついたのは、殆ど奇跡みたいなものではないかと書いていて思いました(適当過ぎる…)。
 それと今回は2人だけでなく、裕子や修司もある到達点に来た感じで、書き手としても彼ら同様、息子を婿に出す親の気分でした(何)。修兄がトモに「俺たちはお前に大人になってほしくないと思っていた」みたいな事を言いますよね。多分、あの2人はみんなこのままの関係でいられたらいいのにって想いが特に強かったのではないかと思います。
 そんな暗い展開の中、1人無敵な強さを誇るハツラツ数馬君は書いていて本当に楽でした。1部では動かすのが1番大変な人だったのですが、2部では暗いお話の中に適度な喝を入れてくれて。拡あたりも割と落ち着いて、大人の階段上ってる感じになれたのではと思っています(笑)。


 ……まだまだ語りたいことは色々あるのですが、毎週朝方更新で死んでおり、今は連載が終わった事にただただ安堵するばかりです。毎土曜日(笑)に来て下さった方々に少しでも楽しんで頂けたなら、こんなに嬉しい事はないです。
 ここまでお付き合い下さった皆様、本当にどうもありがとうございました。




2003.07.19 上総 実
(2008.02.一部改稿)



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