12月21日(木) 〜「ひーちゃんとデート♪」実行委員会・会議録〜 |
アンコ「はあぁぁ〜」(長テーブルに突っ伏し、深いため息) 秋月「あの、アンコさん、大丈夫ですか? 何だかすごくお疲れのようですけど」(アンコの隣で心配そうに) アンコ「あ、大丈夫…。心配してくれてありがと。でも…はあぁ〜」 天野「ため息をつきすぎると幸せが逃げていくわよ、遠野さん」(彼女たちの向かいの席に座り、何やら楽しそう) アンコ「だって天野さん! 折角の会議なのに、肝心の龍麻君が来ないんですよ! これがため息つかずにはいられますか!」 橘「外、見て来たけど、やっぱり緋勇君の来る様子はないわ。電話も通じないし」 六道「やっぱり緋勇さんに誰か1人を選べというのは酷な企画だったんじゃないでしょうか…」←委員だったのか! アンコ「だからいざって時のために投票所を設けて、お客さんに最後の審判を委ねようとしたのにね…」(がくり) 秋月「まさか同票が出てしまうとは…誤算でしたね」(書類を見ながら) 天野「結局、お客さんの反応はどうだったの?」 アンコ「ちょっと天野さん、仮にも委員の1人なんですから、それくらいチェックしておいて下さいよ」 天野「あら、私を参加者にしてくれないのに、熱心になれって方が無理よ」 アンコ「またそんな大人気ない。マリア先生だって落選したんだから、ここは潔く引いていて下さい。あれ、そういえばマリア先生は…?」 橘「あ、緋勇君が電話に出ないので、直接自宅の方へ迎えに…」 天野「マリア、まさか傷心の龍麻クンに襲い掛かってたりしてないでしょうねえ」 六道「わ、私見てきましょうかっ(焦)!?」 アンコ「大丈夫でしょ〜。マリア先生だって仮にも教師なんですから」←仮にもって… 天野「でも話戻るけど。私たちはこんな地味〜な企画委員なんて役に当てられちゃったんだから、せめて間近で龍麻クンと誰かのめくるめくイブの夜を覗きたいわよね〜。委員の特権ってことで」 アンコ「はあ…まあそうですね…。(天野さんってこんな人だったのか…)」←ちょっとショック 秋月「あ、それじゃあ、とにかくこれまでのおさらいしておきますか?」 アンコ「あ…そうね。じゃあ一応。世羅ちゃん」 六道「はい。えーと、お客さんによる投票の総投票数は1518票。うち、同率1位は壬生さんと九角さんの300票です」 天野「またうまい具合に300票とはね」 秋月「1位になった顔ぶれも結構意外だとの声が…」 アンコ「壬生君は妥当かもしれないけど、九角君は意外かもね〜」 天野「九角君…結構男前だものね。隠れファンがいっぱいいたって事かしら」 アンコ「組織票もあったみたいだしね。ピンクちゃん&さとみちゃんコンビとか」 橘「あの2人の勢いに、さすがの如月君も完敗って感じだったわね」 アンコ「結構最初はいい感じだったけどね〜。でもそれを言うなら京一君もあの位置は相当ショックなんじゃない?」 天野「犬神先生はこの企画に参加していないくせにおいしいポジションを取ったわよね」 六道「私は…個人的には柳生さんがもっと伸びると嬉しかったんですけど」 アンコ「柳生さんは声かけるのが怖くて、結局この企画のこと告知に行けなかったのよね(汗)」 六道「ざ、残念です」 秋月「残念といえば、私が個人的に応援してた村雨と御門も…影薄かったです」 天野「逆に固定ファンを味方につけて好位置につけていた劉クンは結構健闘してたわよね」 アンコ「……ふーむ。こうやって見てみると、みんなに勝たせてあげたいはあげたかったわよね」 六道「皆さん、緋勇さんとイブを過ごしたいって思っているわけですもんね」 秋月「私も全員分の裏が見たいですよ」(けろりと) アンコ「……(汗)。ま、まあそうだよね。でも! とにかく龍麻君には誰か1人を選んでもらわなければならないのよっ! 投票が同票だったってこともあるし、やっぱり最後の決定権は当人の龍麻君にあるのだものねっ!!」 橘「……緋勇君、来るかしら」 一同「……………」 天野「もうマリアに食われた後だったりして」 アンコ「あ〜ま〜の〜さ〜ん【怒】!!」 橘「ま、まあまあ落ち着いて、遠野さん」 六道「あ、マリアさん!!」(突然開いたドアに逸早く反応を示した世羅) マリア「ごめんなさい、みんな。お待たせしちゃったワ」 アンコ「あ、マリア先生! 龍麻君は!?」 天野「マリア、遅かったじゃない。龍麻君にヘンな事してないでしょうね」 マリア「……うふふ。そうしたいところではあったのだけど。遅かったみたいネ」 アンコ「ど、どういう事ですか!?」 岩山「先手を打たれたって事だよ」 アンコ「わっ!! た、たか子先生…ッ! 一体いつの間に!!」 岩山「うるさいね。マリアと一緒に来たんだよ。アタシも龍麻に用があったんでね。そしたら、もう部屋の中はもぬけの空さ」 マリア「そして代わりに龍麻クンの部屋でアタシたちを待っていたのは―」 アンコ「な、何なんですか…?」 岩山「……ふうぅ〜。コイツだよ……」 盲目の者「グオーーー…」 アンコ「げげげっ!! な、何ですかコイツはっ!!」 六道「あ…もしかしてこの異形さんは……」 橘「そういえば如月君に聞いた事あるような…確か盲目の者…美里さんのペットの…」 アンコ「み、美里ちゃん〜!??」 天野「……ああ、どうりで姿を見ないわけだと思った」 盲目の者「ガオー!! グオゴー!!」 マリア「うふふ、大丈夫よ。誰も貴方のマドンナには手を出せないから」 盲目の者「グオ? ガオゴ?」 マリア「うふふ。そうよ。だから、美里さんと龍麻の居所を教えてくれない?」 アンコ「………(汗)。マリア先生、何で会話できるんですか」 岩山「まあ、マリアに任せな。とにかく、あの悪女から龍麻を取り返さないといけないんだろう?」 アンコ「そ、そうですけど…。龍麻君は本当に美里ちゃんに攫われてしまったんですか?」 天野「まあ、状況から見たらそうでしょうね」 アンコ「そ、そんな…それではこの間の企画とかぶってしまうじゃないのっ! ここの管理人ったら、何て芸のない奴なの! パターンなのよ、面白くないのよっ!!」 六道「そこまでボロクソ言わなくても…(汗)」 橘「それに緋勇君のことだから、誘拐っていうよりは、またつい大人しくついてっちゃったとかなんじゃない…?」 一同:しーん 盲目の者「ガオー!! グオゴ♪」 アンコ「……マリア先生…そいつ、何ですって?」 マリア「………」 アンコ「マ、マリア先生?」 マリア「………『美里様はとっても素敵♪』ですって」 アンコ「駄目だこりゃ……(汗)」 盲目の者「ガオ? グオグオ♪」 ―以下、次号! |