壬生主ED



壬生「龍麻…探したよ」
龍麻「……ごめん」
壬生「どうして謝るんだい」
龍麻「………分からない」

龍麻はどことなく苦しそうにそう言い、それからどうして良いか分からないというように壬生から顔を背けました。
けれども。

壬生「龍麻。今日は僕と一緒にいてくれないか?」

壬生ははっきりとそう言ってきました。

龍麻「え……?」
壬生「この間は馬鹿みたいに…君から離れようとしたけど…。でも、そんなのは僕の本心なんかじゃない。僕は君と一緒にいたいんだ。ずっと…いたいんだ」
龍麻「…………」
壬生「君が誰のことも選べなくてこうして街中をふらふらしてるんじゃないかって思ってた」
龍麻「………だって」
壬生「でも、こんなに広い街中でも、僕はきっと君を見つけられるって思ってた」
龍麻「え……」

壬生のどことなく自信に満ちたその台詞に、龍麻は驚いて顔を上げました。すると壬生は柔らかな笑みを向け、龍麻の前髪にそっと触れて―。
横断歩道の手前で龍麻の額にそっと一つキスを落としたのです。

龍麻「……っ! み、壬生……?」
壬生「龍麻。君が好きなんだ。僕と一緒にいてくれないか」
龍麻「お、俺、は……」
壬生「今日だけじゃない。ずっと僕といて欲しい。僕には君だけなんだ」
龍麻「何で……」
壬生「迷っている君にすごく強引だけど…すごく勝手だけど…。でも僕は、もう自分の気持ちに嘘をつくのはやめたんだ。この間…君が僕のところに来てくれた日から」
龍麻「壬生……」

壬生の言葉をずっと耳に入れていた龍麻は、突然我慢できなくなったようになり、ぎゅっと壬生に抱きついて言いました。

龍麻「壬生、ごめん…。俺、俺こそ自分に嘘つこうとしたんだ…。本当は壬生と一緒にいたいって思ってたんだ。本当は壬生の所に行きたかったんだ。でも…でも、怖くて……」
壬生「龍麻……」
龍麻「俺は、壬生が思うほど全然強くないから」
壬生「うん。知っているよ」
龍麻「………」

壬生はただそっと自分に縋り付いてきた龍麻を抱きとめていましたが、そっと離すと視線をあわせるために少しだけ屈んで言いました。

壬生「龍麻。イブなんか関係ない。聖夜なんて僕にはどうでもいいんだ。ただ君といたいだけだ。今日という日が特別な日なんかじゃなくても」
龍麻「うん…俺も……」
壬生「それじゃ…こうして歩こうか…?」

そうして壬生はそっと龍麻の手を握ると、優しく笑んで重ねたその手に力をこめました。
だから、龍麻も。

龍麻「うん…」

こうして2人は実に幸せそうに煌びやかな街中へとその姿を消して行きました。



盲目の者の貴方は美里様との約束を果たす事ができませんでしたが…。
ハッピーエンド…ですよね?






この後の2人を見たいという方は…。
このページのどこかにある秘密部屋への入り口を探してみて下さい。
ただし企画室のくせにこの先は18禁です。
それを踏まえた上でどうぞです。


そんな破廉恥な!わたくし、戻ります!