復活!!いたずらひーちゃん♪




第拾弐話「突然我に返ったひーちゃん♪」の巻



うう…ぐすぐす…。翡翠のばかやろ〜…。
くそう、こうなったら誰か違う奴でウサを晴らすしかない!
おっ!! あそこにいるのは!!
よーし、今度はアイツにいたずらしてやる!!

劉「ふわあ…。何や寝不足やわあ。ちょっとここで仮眠しよ」←公園のベンチにて

ふっふ。いい若いモンが真昼間から公園で昼寝だと〜?
お前に安眠はない!!
そりゃ!
ガタガタガタッ!!!←劉が座るベンチを揺らす龍麻

劉「ど、どわあっ!! な、何や何や〜!?」

まだまだあ!
ガタガタガッタンガッタン!!

劉「わ、わ、わ、わ…! べ、ベンチが1人で揺れとる〜!!」

わははは!!
劉のやつ、すっごいびっくりしてるぞ!!
って、あれ……?

劉「ふーむ…。どうやらこのベンチには悪い物の怪がついとるようやな。祓ってやらな」

は、はあ? い、いや、別にだな…。

劉「そりゃあ! 悪霊退散ー!!」

わー!!
な、何すんだー!! お前、それってお祓いとかじゃないじゃないかっ!!
ただの攻撃だろっ!!

劉「ん? 何や今、アニキの声がしたような……」

したような、じゃない!! 俺はここにいんの!

劉「ア、アニキ!? ほんま、アニキか!? 一体何処にいるんや!?」

ふう、まったく。危うくお前に殺されるとこだったぞ……。

劉「アニキ、一体どっから声かけてるん? さっきのはアニキの仕業なん?」

ふっ、そうだ。驚いたか!

劉「めっちゃ驚いたわ〜。アニキ、いつからそんな技身に付けたんや?」

技っていうか。何か知らないけど透明人間になっちゃったんだ。 

劉「へ? 透明人間…? 何やまたけったいなもんになったもんやな〜」

あのなあ! 呑気に言ってんじゃねえよ! 
俺、どうやって元に戻っていいのか分からないんだぜ?

劉「ありゃあ、そうなんか。あ、そうや、アニキ! 御門はんとこ行ったらどうや? あのお人ならこういう時どないしたらええか知ってそうやない?」

あ、そうか〜御門ね。うん、確かに何とかしてくれそうだな。

劉「そやろ! ならわいも一緒に行ったるわ。アニキがこんな大変な目に遭うてるのに、確かにのんびり寝てなんかいられんもんな」

りゅ、劉……。(じーん)
ありがとう、劉。お前って良い奴だな!

劉「何言うてんの。大体、アニキがこのままずーっと透明だったら、わい嫌やで! アニキの顔見れんし、アニキに触れることもできん。そんなん、わい、耐えられへんわ」

な、何言ってんだよ、照れるな〜もう。

劉「アニキこそ、そんな悠長にしてる場合やないで? 大体、このまま元に戻れへんかったらどないするつもりやったん? アニキが声出さん限り、みんなに気づかれないんやで? アニキがそこに居ること」

……………。

劉「それってほんま寂しい事やんか」

う、うん……。

劉「せやろ? ほな、行こか」

劉……やっぱり俺の姿、見えない?

劉「? ああ、見えんよ。確かにアニキがいるって分かったら、その気配をそこに感じることはできるけどな」

ど、どうしよう、俺……。このままこんなだったら……。

劉「アニキ?」

どうしよう、劉! 俺…俺、急にすごく怖くなってきた!
どうしよう、このままずっとずっとみんなに俺のこと分かってもらえなかったら!

劉「アニキ、落ち着けて。だからこれから御門はんとこ行こう言うてるんやろ?」

うん……。でも劉…寝不足なんじゃないのか? 俺に付き合わなくても…。
あ…! も、もしかしてお前また独りで修行してたのか?

劉「はははっ。アニキ、こんな時までわいの事なんかどうでもええやん」

………良くないよ……。

劉「? どないした、アニキ?」

俺…俺、こそ……。
みんなの事なんか考えてなかった! 自分の事ばっかり考えてた!!

劉「アニキ?」

俺、みんながいなくてすごく心細くて…どうせみんな勝手な事ばっかしてるんだろうって…ただそう思って、だからこんな馬鹿みたいにいたずらして…。
で、でもでも…劉、ごめん〜!!!←ダッシュしてその場を去る龍麻

劉「アニキ!? アニキ、待ってや、何処行くんやー!!」

きっと…きっと罰が当たったんだ。俺、勝手に1人でいじけて我がまま言って…!
俺なんか、ずっと透明のままでいればいいんだー!!


(こうして、素直な気持ちに戻ったひーちゃんは、突然の自己嫌悪とこれからの自分を思って不安な気持ちになってしまい…。ただ闇雲に街中を走って行ってしまいました。ひーちゃんはどうなるのか!?これからの展開は一体!?っていうか、もうすぐ最終回! 以下、次号!!




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