いたずらひーちゃん♪・その後




第七話「ひーちゃん♪奪還なるか!?」の巻



龍麻「だ、誰が来たんだ…一体?」(ドアに耳を押し付け、息を殺す龍麻)
ウゴー「ウゴー……ドキドキ」(龍麻の動作を背後から真似する盲目の者)

美里「どなた…あら」
??「……美里。ここはお前の家、か……?」

龍麻「こ、この声は……」
ウゴー「ウゴ?」

美里「ええまあ…別荘みたいなものです。それより先生こそ、こんな森の奥地に何故?」
犬神「……まあ、俺もこの近くに似たようなものがあってな……」

龍麻「せ、先生…! 犬神先生だ…っ!!」
ウゴー「ビクウッ!」(←以前ぽい捨てされた経験を思い出した盲目の者)

美里「それで先生、何か御用でしょうか?」
犬神「いや…ここに、緋勇は来ているのか?」
美里「あら何故そんな事を?」(絶やさぬ天使の笑み)
犬神「この家へ通じる道程にこれが落ちていたんでな…」
美里「まあ……携帯電話ですか」

龍麻「えっ、あ、ホントだ、ない!!」
ウゴー「ゴウッ?」
龍麻「俺、気づいたらここにいたしな…運ばれる途中で落としてたのか」
ウゴー「ウゴ」

犬神「あいつがこんな物を持っているとは知らなかったが…拾った途端、いきなり蓬莱寺がこれにかけてきてな。何でも緋勇が突然の突風に攫われて姿をくらましたとか」
美里「まあ……」
犬神「その後も、何だかあいつの仲間らしき連中がこの番号にかけてきた。……まァ、そいつらの場合は、この電話番号を持つ主にひどいいたずら電話をされたとか何とか」
美里「いたずら電話…ですか」

龍麻「……しまった。よく考えたら着信履歴が(汗)。あ、でもまあ、あの携帯どうせ俺のじゃないしな」
ウゴー「ウゴー?」
龍麻「だって暇だったんだ。だから貰ったあの携帯でいたずら電話かけまくってたんだ」
ウゴー「…………ガウガウ」
龍麻「な、何だよ…どうせ俺は暗いよ! だって―」
ウゴー「ウゴ!」(どんとド突いて龍麻を黙らせる盲目の者)
龍麻「いてッ! な、何すんだよ…! あ…?」(再び玄関の方へと意識を傾ける龍麻)

犬神「…―まあ、その悪戯うんぬんはともかく。蓬莱寺のあの焦りようは尋常じゃなかった。だからもしお前がアイツの行方を知っているのなら―」
美里「はい、分かりました。もし龍麻のことで京一君に何か訊かれたらちゃんと答えておきます」
犬神「……いるのか? 緋勇はここに」
美里「うふふ…。先生の嗅覚の鋭さには敵いませんわね」
犬神「……アイツは望んでここにいるんだろうな?」
美里「………」

龍麻・ウゴー「………ごく」(何やら異様な空気を感じ取り、緊迫する2人)

犬神「アイツに会えるか?」
美里「何故、先生がそこまで気になさる必要があるのですか?」
犬神「ん……」
美里「先生、私と龍麻はただのクラスメイトという関係ではありません。私たち、共に生死を分かち合った…そして離れ難い運命の糸で結ばれた者同士なんです」
犬神「……あぁ、そうだな」
美里「その私と龍麻がたまに、たま〜に、皆のいない場所でひっそりと2人きりになる…ことが、それほどいけない事なんですか」
犬神「なるほど、お前にとってはいけなくはない事なのだろうな」
美里「龍麻も喜んでくれています」(にっこり)
犬神「………緋勇に直接確かめさせろ」
美里「……だから何故先生がそこまで」

龍麻「な、何だか俺、この空気に耐えられない!」
ウゴー「ウゴーン!! ブルブル……」
龍麻「美里には悪いけど、俺、やっぱり帰るよ! ドア、ぶち割って―」
ウゴー「!?」
龍麻「俺、先生と一緒に帰るっ!」
ウゴー「ウゴンウゴン!!」(いやいやと首を横に振る盲目の者)←だから首はあるのかよ…
龍麻「嫌なのは俺! せ、先―」

裏密「先〜生〜」

龍麻・ウゴー「!?」

犬神「………裏密、お前もいたのか」
美里「ミサちゃん。貴女までどうしてここが?」
裏密「ミサちゃんに〜分からないことは〜ないの〜」



(不思議な3人が終結したところで、果たして龍麻の脱出はあるのか? 以下、次号!!



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