「雨」
〜本日の訪問客・鬼道衆〜


雷角「よっし、いくぞ皆の者ーッ!」

龍麻「あ……」
風角「おう、いつでも良いぜッ!」
水角「遂に我らが出番じゃ♪ 腕が鳴るのお」
岩角「えへへ〜おで、江戸へ行ったら、美味いもんいっぱい食いたいどー♪
雷角「こらこら岩角! そうじゃないだろ、異世界空間でラブラブ九主が見たいだろっ」
龍麻「………あの」
雷角「はっ、いかんいかん、横道に逸れたっ。では、皆の者、声を合わせて、せーの…っ!」

鬼道衆「我らは、鬼道衆っ! 御屋形様とひーちゃん様の恋のキューピッドなり…ッ!」

龍麻「はあ?」
雷角「よっし、波長ぴったり! うまく合わせられたなっ!」
風角「これの練習に二週間くらい費やしたからな」
水角「うっふふふ〜。そ・し・て。さあ、最後の決めポーズよ! 炎角ッ!」
炎角「〜〜〜!!!」(何やら渾身の気合を入れている最中らしい…)
龍麻「???」

炎角「ぃ〜っエーイ!! イエイエイエイエイエーイッ!! ロックンロールスタンバイオーケイ!?」

鬼道衆「イエーイ!!」
炎角「やってきたぜきたぜイエイ! ひーちゃん様ズ・ハウス! 待望のゲスト・デビューウッ! イエ!」(炎角の指揮の下、びしっと5人揃ってキメポーズ!)
龍麻「……………」
水角「きゃーもう感動だぞえ〜! ひーちゃん様のお部屋〜!!」(バシャバシャと写真を撮る)

風角「俺なんかビデオ録画しちゃうぜー」
岩角「おで、ひーちゃん様の家にある食い物食うどー♪」
雷角「はっ! お、おい! あ、あの寝室に干してある物はもしや…!?」
水角「ぎゃー! ひーちゃん様の洗濯物ぉ〜!! 写真〜!!!」
風角「ビデオ〜!!!」

炎角「イエーイ! 魅・惑の、ひーちゃん様ズ・ハウス! オーイエッ!」←うるさすぎ
風角「マジかよ、すげーいい感じだよ。お屋敷も良いけど、こういう質素な部屋で御屋形様がくつろぐってのも…へへへ、すげー何か興奮しちゃうな!」

水角「ふふふ…ひーちゃん様が傍で御屋形様にマッサージしたりしてね〜」
雷角「マ、マッサージ…! それは何とも…扇情的であるな…っ(ハアハア)」

龍麻「……あんたら何しに来たの(汗)?」(傍でくるくる踊り回る炎角を眺めながら)
雷角「おお、ひーちゃん様! お久しぶりでございます」(挨拶遅すぎ)
風角「今回はまた大変な事になりましたね〜」
水角「でも雨の日続きってのもなかなか良いものですわ。情緒的で♪ さすがひーちゃん様はやる事がいちいち素敵です♪」

龍麻「あ、そう」
炎角「あのな〜ひーちゃん様。俺たち、今日は旅行の準備の相談に来たんだぜーイエ!」
龍麻「旅行? 準備?」
岩角「おでたち、ここのアイドルだって〜。50票も投票してもらったんだどー。だからひーちゃん様と一緒に旅行に行けるんだどー♪」
龍麻「……何の話?」

雷角「いやいやっ! 確かにまだひーちゃん様のご意向は伺っておりませぬがっ。今回のひーちゃん様のお心を探しに行く旅にですな、我らも是非同伴させてもらいたく…!」
龍麻「え?」
水角「御屋形様の了承はまだ貰ってないのですけど。ひーちゃん様が良いって言って下さればきっとわらわ達も一緒に行けますわ」
龍麻「あ、そうなの。そういう事か…。いやまさかあんたらまでそんな事言いに来るとはなあ…(呆)」
風角「分かってます、ライバルがたくさんいるって事は! けど俺たち本気です、ひーちゃん様!」

雷角「そうですともっ。我らが鬼道衆、全身全霊をもってひーちゃん様をお護り致しますぞっ。ですから、どうかどうか我らの事はお忘れなきよう…」
龍麻「はあ…でも俺…まだあんまり考えてないから…」
炎角「いいよ〜ひーちゃん様、ゆっくり考えてくれればイエ〜」
岩角「おう〜。ひーちゃん様、悩んでるならうまいもん食ってそれから考えるといいど〜」
龍麻「………うん、まあ」
水角「ところでひーちゃん様、我らが御屋形様はこちらにお見えになりました?」
龍麻「え、天童? 天童は来てないよ。あいつが来るわけないじゃん。こんな企画に参加するわけないよ」
雷角「そ、そんな事はありませぬぞ…っ。何せ我らがひーちゃん様の一大事っ。御屋形様がひーちゃん様を放っておくわけありませんからなっ」
風角「そうですよ、ひーちゃん様。御屋形様、きっともうすぐ来ると思いますから待っててあげて下さい」
龍麻「まあ待っているも何も…俺はまだ当分この部屋にいるつもりだけど…」
炎角「イエイエイエ〜♪ ひーちゃん様の憂えたフェイス〜♪」(突然歌い出す炎角)
龍麻「………ッ(焦)!?」
炎角「悩ましげ〜で〜色っぽくて〜♪ウオーウ〜…………セクシッ!」
龍麻「……………」
水角「はあ〜それにしても楽しみですわ、ひーちゃん様…。誰にも邪魔されずに2人っきり旅行…取材のし甲斐がありまする♪」←あんたらが来るなら二人っきりになれねえ
風角「俺はついでに自分の先祖に会いたいぞ」
炎角「俺も〜イエッ!」
雷角「わしも興味はあるな」
岩角「おではひーちゃん様のご先祖が見たいど〜」

水角「おお、それを言うなら御屋形様のご先祖様にも是非お会いしたいものよ…。きっと天童様に負けるとも劣らぬ素晴らしい方に違いないぞよ」
鬼道衆「はあ〜夢が広がる〜」
炎角「ド・リーム! ドリームダンシングッ!!」
龍麻「俺、あんたらと行くなんて一っ言も言ってないけど」(グサリ)
鬼道衆「!!!!!」
龍麻「俺今やさぐれてるからさあ…。そんな風に行きたいオーラ全開にされるとわざと連れて行く候補リストから外したくなるんだよねえ…(にやり)」←悪魔な龍麻
鬼道衆「!!!!!!!」

龍麻「でも先祖…ああ、先祖ね…。うん、それは確かにちょっと興味あるかもね…」(ぼんやりとしながら視線を遠くにやる龍麻)
水角「ひ、ひーちゃん様…? あのでも、ひーちゃん様がお選びになるのは、我らが御屋形様ですよね…?」
龍麻「だから天童はわざわざこんな事に参加しないって」
雷角「ま、まさか亀!? ひーちゃん様は亀を候補にっ!?」←聞いてない
水角「いや〜!! 恐れていた事が現実に〜!」
風角「くっそー! もはやこのサイトは九主メインなのかと油断してたぜ!」
炎角「油断〜それは奢りとも言う〜イエ!」←怖いほど鋭い炎角
岩角「おで、御屋形様とひーちゃん様のちゅうが見たいどー」
雷角「こうなったら皆の者、亀の抹殺に向かおうぞ! 邪魔者は消し去るのみ! 我らの新刊江戸本ネタの為に立ちあがらねばっ!」←ちょっと待て御屋形様の為じゃねえのか
鬼道衆「おー! レッツゴーイエー!!」(どどどどどど………)←そして退場
龍麻「……騒がしい奴ら(汗)。大体亀亀って……亀はいないよ。泳いでどっか行っちゃったってさ…」(何かを考えるように俯く龍麻)




以下、次号…







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