《24》
長くだらだらと意味もなく…い、いや意味はあったはず(汗)!…な、鬼道衆たちが主役の連載も。
遂に! ようやっと! 目的の場面まで行き着いた!
彼ら鬼道衆の今回の<抹殺ターゲット>蓬莱寺京梧の登場である。


雷角「ついについに…苦節ン十年…!」
岩角「そんなに経ってないどー」
風角「ばか、こういうのは雰囲気が大事なんだよ! とにかく! おい、蓬莱寺京梧!」
水角「遂に見つけたよ!」
炎角「大人しく俺らにやられろ〜イエ!」
雷角「うむ。悪いが死んでもらおう。貴様が生きていると後々我らの世にも厄介な事が起きる故な」
岩角「っていうが、お前を殺さないとおでたちが殺されちゃうんだどー」
風角「だから岩角! お前はいちいち盛り下げるような事言うなって!」
水角「とにかく!」
炎角「俺たちの攻撃をくらえだぜイエ!」(びしいっ)
京梧「はあ………」


5人の怪しげな鬼面たちがごちゃごちゃと何やらわめきたてている…。
与助が巨大男に振り落とされそうになっているところに、たまたま通りかかったものだから思わず声を掛けてしまった…が、これは関わらない方が良かったかもしれない。
京梧はそんな事を思いながら、自分を殺すなどと物騒な事を言っている鬼面たちを眺めた。


雷角「ふっふっふ。何を呆けておる? さては蓬莱寺、我らの力を感じ取って竦んで声も出ぬか! ではこちらから行くぞ!」
一同「おー!」
雷角「……………」
一同「……………」
雷角「よし、行くぞ!」
一同「おー!」
雷角「……………」
一同「……………」
雷角「……よし。風角、行け!」
風角「な…っ!? お、俺からかよ!? が、岩角、お前から行け!」
岩角「おでからはやだどー。水角〜」
水角「バ、バカな事言うんじゃないよっ。女のわらわが先に行ってどうする!? ちょいと、炎角! あんた、いつものイケイケテンションはどうしたってんだい! さあ、行くんだよ! 蓬莱寺京梧に炎の攻撃を!」
炎角「俺の勢いはダンスステージのみで発揮される〜ッ。戦いは苦手だぜ〜イエ!」
雷角「そ、それでも鬼道衆の炎の使い手かッ!? 現役を引退したっても、そんなに経ってないだろうがっ」
風角「おい、それならリーダーのお前が行けよ〜!」
水角「そうだよ、雷角! あんたが先陣を切るべきだぞよ! 元々この話を持ってきたのはあんたなんだから!」
雷角「な…っ。ま、またそうやってわしに責任を全てかぶせる気か!? き、汚いぞ、それでもお前ら鬼道衆か!?」
炎角「イエイエ〜イ! 仲間割れ〜イエ!」(腰フリフリ)
岩角「炎角、面白そうに言ったらダメだど!」(がばあっ)
炎角「オウッ。持ち上げられたぜ、困ったぜ、イエ!」
水角「ちょいとあんた達、何を遊んでいるのさ!」
風角「そうだぜ、今俺らがこんな真剣に話しあってんのによ!」


京梧「お前らな……」
鬼道衆「びくっ!!!」


しばらく鬼道衆たちの話を黙って聞いていた京梧が、不意に口を開いた。
これには彼らも一斉にびくつき、思わず声を失ってしまった。
石化。


京梧「あのな。俺、先を急いでいるんだがよ。もう行っていいか?」
雷角「ななな何…ッ!?」
風角「汚いぞ、逃げるのかっ」
水角「そうだぞよ、わらわ達に畏れをなして逃げる気だねっ」
炎角「でもラッキー」
雷角「黙れ炎角…ッ! よ、よし。行くというなら見逃してやってもいいぞ…?」(フンと鼻を鳴らして腕を組む雷角)
風角「特別にな」
水角「しょうがないねえ、今回だけだよ」
岩角「見逃してやるどー」
炎角「岡引! お前も見逃してやるぜイエ!……って、思ったらあいつはいないぞイエ」
京梧「与助の奴ならとっくにどっか走って行っちまったよ。ったく、あいつを助ける為に声かけてやったってのに…」(ため息)
雷角「ま、まあそれはともかく! 行きたいというならさっさと行け!」
風角「やれ行け!」
水角「さあ行け!」
岩角「行ってくれだどー」
炎角「イエイエ!」
京梧「へ……。悪いな。それじゃ、見逃してもらうとするぜ」
一同「!!! し、仕方ないな! 見逃してやろう【喜】!!!」


京梧は勝手な事をわめきちらす鬼道衆たちに苦笑したものの、しかし後はもう何も言わなかった。
軽く片手を挙げ、鬼道衆たちに悠々と背中を見せて去って行く。
そんな京梧を見やり、鬼道衆たちは思わずさささーっと円陣を組んだ。


風角「な、なあっ! あいつもろ背中無防備だぜ! 襲うなら今じゃねえ!?」
水角「わらわも今そう思ったところ! あいつ油断しまくってるよ! わらわ達をなめきってるよ!」
雷角「そうじゃな! 奴め、我らの油断させるぜ作戦にまんまと引っかかって思い切り隙を見せておるな! チャンスじゃな!」
岩角「何だ〜蓬莱寺を見逃したのって、作戦だったのが〜?」
炎角「たった今作戦になったんだぜ」
風角「うるせえなそこ! 大体よく考えたらここで奴を取り逃がしたら俺たち何の為にここまで来たか分からないよな!」
水角「そうだよ! わらわ達、あの菩薩娘に殺されてしまうよ!」
岩角「はっ、そうだどー忘れちゃダメなんだどー」
雷角「よ、よし…! 一斉に攻撃するぞ…! いいな、お前ら、裏切るなよ?」
風角「雷角こそ…! みんなで攻撃するんだからな!」
水角「お、おっけー!」
岩角「おではやるどー」
炎角「俺もやるぜーイエ!」
一同「よ、よお〜し…!」


京梧「お、そうだ」


しかし5人が決死の思いで京梧に必殺・不意打ち攻撃をかまそうとした時だった!
何かを思い出したように、急に京梧が振り返ったのだ。
これには5人、再び石化。


京梧「さっきから訊こうと思ってたんだがな。お前ら、面白いもんつけてんのな?」
一同「………??」
京梧「そりゃ一体何の呪いだ? 知り合いにちょいと似てる奴がいるもんだから気になってよ。……あァいや、そんな殺気立った顔はしてないんだけどな」(苦笑)
一同「はあ…?」


京梧の言っている意味が分からずに、5人は揃って首をかしげた。
しかし、笑いながら京梧が指さした方向…自分たちのすぐ後ろを振り返った時……。
彼らは、その意味を知った。
京梧の言う、「呪い」の意味を。


美里「うふふふふふふ………やっと見つけたわよ……あなた達………」
鬼道衆「!!!!!!!!!」


そう!!!
彼らのすぐ後ろには、真っ暗な異空間からにゅうっと上半身だけを出した……。
美しき菩薩眼・美里葵さまの姿があったのである…っ!!


鬼道衆「ぎゃ…ぎゃああああああーッ【絶叫】!!!!!!」
美里「うふふふふふ…………」



以下次号……






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