「天童、入るね?」
声と同時に天童がいる奥座敷に入ってきたのは、まさしく正真正銘の緋勇龍麻その人だった。相変わらず精悍とした顔つき、凛とした瞳。すらりとした体型からは、ほとばしるほどの「氣」を感じる。
「龍麻…か」
「そう。驚いた?」
「まあな」
「誕生日おめでとう」
龍麻はそう言うと、すっと天童の目の前に座り、酒の燗を手にして天童に勧めた。
天童は自身がそれを受けてから、今度は龍麻に酒を向けた。
「お前もやるか」
「もちろん」
にっこりと龍麻は笑い、それから天童が飲むのを黙ってみた後、再び綺麗な笑みを向けた。
「……俺は一体どうなっちまったんだ?」
そんな龍麻だったから、天童も素直に訊けた。
「ん…?」
龍麻が不思議そうな顔をしてこちらを見てくるのを確認してから訊く。
「俺はてめえに倒された。俺は鬼になって地獄に行ったはずだよな」
「そうだったっけ?」
「おい、龍麻…」
「あはは。いいじゃない、ここがどこでも。だったら俺もお前と一緒に地獄に落ちたんだよ、きっと。だからお前の側にいるんじゃない? ……こうしてさ」
「……そうか」
「うん、そう。だから、はい、飲んで」
龍麻は飄々としてそんな事を言い、そして自分も天童の杯で酒をあけた。
それからお互いにぽつぽつと他愛もない話をしながら、2人はゆっくりとした時間を過ごした。
「おい、龍麻…」
そんな時をどのくらい送ったのだろうか。しばらくしてから天童は改まって龍麻のことを見やった。
さて、天童が出した言葉とは?
A 「お前は・・・俺が憎いか?」と訊く
B 「もう一度勝負がしたい」と言う
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