ノータイトル


  ―2―




  友之が泊まって行く日は決まって一式しかない布団で一緒に横になるが、友之がこうして初めから懐いたように自分の懐にくっついてくるのは初めてだと、中原は戸惑った想いで小さな頭を見つめていた。恐らくは今日あそこで見知らぬバカオトナたちにからかわれ怖い思いをしたせいなのだろうが…。
  そんな目に遭わせてしまった事は申し訳ないが、それでも今のこの状況が嫌でない事は確かだ。
(……お)
  暗闇の中じっと目を凝らしていると、徐々に友之の髪の毛一筋すら鮮明に見えてくるようになるから不思議だ。友之が逆らわないのを良い事に、中原は何となく行き当たったつむじを指先で弄繰り回しながら、何故自分はこうもこいつの事を可愛いと思うようになったのかと考えていた。
「なあ」
  だからだろうか、自転車での会話をふと思い出して中原は未だ起きているらしい友之に訊ねた。
「何で会社来たんだ。今日」
「……見たかったから」
「それは聞いた。何で見たかったんだ? 別に面白くもなかっただろ。おまけにあんな奴らにからかわれて…っておい。そういえば何かされなかったろうな?」
「何かって…?」
  友之が不思議そうな様子ですっと顔を上げてきた。
  中原はそんな眼差しにまた一瞬怯んだようになりながらも、ぐっと友之を抱く腕に力を込めた。
「何かは何かだよ。何かぐりぐりいじられてただろ。こんな風に、よ」
  先刻から好き勝手いじっていた友之の髪の毛を更にぐしゃりとかき回し、中原はついでだというようにどこか火照っているような頬っぺたも軽くつねった。
「正…兄っ…」
「んだよ。連中にもこうされてただろ」
「あれ…ちょっと怖かった…」
「だから来なきゃ良かったんだ」
「でも……」
  友之はどんどんと追い詰めてくるような中原に困惑しながらも、しかしぐっと息を呑んだ後続けた。
「正兄はちゃんと外で働いていて…本当凄いし…かっこいいから」
「は……?」
「それ…近くで見てみたかったんだ…。正兄、社長さんの事も、乱暴だけど好きって言ってたし…」
「あ、ああ…まあな。俺の事拾ってくれた人だし」
  「村さん」の口ききとはいえ、それなりに悪さをしてフラフラしていた自分をあの会社の社長は笑顔一つで引き受けてくれた。だから恩義を感じているし、報いねばとも思っている。
  そんな当時にふと想いを馳せた中原に、対する友之の方は依然としてじっとした眼差しを向けてきていた。そうして何を思ったのか今よりももっと中原の胸に鼻先を寄せ、小さく囁くような声で言う。
「僕もいつか…正兄みたいになれるかな…」
「……何?」
「ちゃんと…外で働いて…自立したいんだ…」
「……んな事」
  まだ高校一年なのだから、そんな事はもっとずっと後になってから考えれば良いことだ。
  しかし友之の精一杯の決意を端折るわけにもいかず、中原は開きかけた口をそのまま閉じた。
  そしてその代わりとでも言うように、その発言を誉めるように、中原は友之の髪の毛に唇を押し当てた。
「正兄…?」
「………」
  不思議そうに顔を上げる友之に中原は何も言えなかった。
  この友之を可愛いと思うのも道理だ。素直に己の弱さを晒しながら、けれど決してそれに甘んじる事なく先へ進みたいと足掻く子ども。その姿が堪らなくいじらしいから、信じられない程に真っ直ぐだから、だから自分はこいつに惹かれるのだ、と。
  あんなにも抑圧された暗い世界に身を置いていたのに。
「正兄…あの…」
「……お前が悪い」
  もぞもぞと居心地悪そうにし始めた友之に中原は深くため息をついた。
  駄目だ。
  どれほど情けなくともみっともなくとも、今現在こうして「可愛い」と思ってしまっている友之を前に自分のムスコがこんな風に興奮するのも仕方がない。今さら下手に取り繕ってみても、さすがの友之も気づいてしまったようだし、この昂ぶりを誤魔化す事など不可能に近い。
「トモ」
「ん…あ……」
「お前、あいつらにここも触られてたな? あとはどこに触られたよ?」
  声にもならないような小さな音で中原は友之の耳元にそう囁いた。
  片手は既に友之の内股へ移動している。絹ごしに何度か擦りながら、さり気なく友之の性器にも手を当てる。
「あっ…」
「どうだ? ここも…触られたか?」
「あ、そこは…あっ」
  やがて露骨にそこを中心にして揉み扱いてやると、友之はいよいよ困惑したように悲鳴に近い声を上げ始めた。股間がむずむずするのだろう、小さく身じろいで中原から何とか距離を取ろうとする。
  けれど中原も今さら友之を放す気はなかった。
「逃げんなって」
「やっ」
  思わず起き上がろうとした友之の肩を掴むと中原は代わりに自分が半身を起こし、そのまま仰向けにさせた友之を上からがんじがらめにした。友之が思い切り怯えた顔を閃かせたのを「見てしまった」が、それでも中原は行為を止めず、ズボンの中に手を差し入れて下着の上からやんわりと、その形を確かめるように再度ゆっくりと友之の性器を撫で擦った。
「やっ……ま、正に…っ」
「こんくらいでそんな声出すなよ…」
  理性の糸が切れる。いや、もう切れているが。
「トモ…」
「んっ!」
  そうして中原はその切れた糸を修正しようともせず、友之の頬を片手でさらりと撫でた後、顔を近づけてそのまま深い口づけをした。途端びくんと震えた相手の反応に気を良くし、中原は更にしつこく唇を重ね、無理矢理口をこじ開けるようにしてその口腔内へ己の舌を蹂躙させた。部屋の薄暗さもその大胆な行動を助長させていた。
「んふ…っ。ん、んぅッ」
  何度か唇に噛み付いてしまうくらいの激しいそれで、友之が苦しそうに吐息を漏らす。一度だけめいっぱい呼吸させてやったが、その後はまたキスの雨を降らせる。友之はそんな中原にただ翻弄されロクな抵抗もできぬまま、ただ従順に唇を差し出し続けていた。
「怖いか」
  友之の目尻に光る涙を見つけてしまい、中原はようやっと自分からそれを訊いた。
「………」
  肯定も否定もない。石のように固まったまま動きのない友之は別段縛られてもいない両手を胸のあたりで留めたまま、ただひたすらにぼんやりとした眼差しで中原を見つめていた。
「ちっ…」
  思わず漏れた舌打ちに、直後猛烈な自己嫌悪が襲ってくる。
  これはつまり、これから自分がしようとしている事は強姦なんじゃないか?…そう思った。友之が逆らわないのを良い事に欲望のみに従って、この小さな身体を支配しようとしている。
  とんだ兄貴もあったものだ。
「正兄…」
「……でもまぁ、知ってたよな。お前も」
「え……」
  ふっと呟く中原に友之が怪訝な顔をした。
  中原はそんな友之をもう一度真っ直ぐに見やった後、自嘲して続けた。
「この俺がお前にとってロクでもない最低な奴だって事を、だ」
「正兄…」
「もう喋んな」
  今にも泣き出しそうな双眸を眺めている事が辛く、中原は友之の首筋に顔を埋めるとそこに吸い付くようなキスをし、同時に先ほど手を差し入れたズボンを下着ごとずるりと脱がした。
「あっ」
  咄嗟に逆らった友之が膝を立てたせいで完全に脱がす事はできなかったが、友之の性器は見事顔を出した。年齢にしては幼い友之のそれは薄闇の中で妙に艶があるように見えたし、下着を中途半端に下げられたその格好が中原にとってはまた扇情的だった。
「やぁッ!」
  一方の友之はもっと大変だ。
  性器を見られたという事に異様な羞恥を感じたのだろう、真っ赤になりながら初めて反抗的な声を上げた。迫る中原の胸も無理に押し返そうとし、何とか逃げ出そうともがいている。
「ホント…呆れるくらい非力だな」
  しかし、そんなものは何ほどの事もない。
  中原は半ば呆れたようにそう呟いた後、じたじたと動く友之の剥き出しになった性器に手を伸ばし、思い切り扱き始めた。
「痛ぁ…ッ」
  それに友之はまた悲鳴をあげた。普段自分でも自慰などやらないから慣れていないのだろう。痛がらせるつもりはなかったので今度は努めて優しく、中原は無言で友之に気持ち良くなる「奉仕」を開始した。
「ひんっ…ん! はあはあ…っ、…まさ…にぃっ」
「どうだ…よくなってきたか?」
「や…は、あ、あ、変…どっ…どうしよ…っ」
「いいんだよ。何も考えなくて」
  言いながら更に動きを早めていくと、友之は更にびくびくと身体を揺らして「あ、あ」と拙い喘ぎ声を漏らし続けた。
  そうしていよいよ先走りの汁が中原の手を濡らし始めた頃。
「いいぜ。出しちまえ」
「ひあぁっ」
  中原の許可を待っていたかのように、友之は短く掠れたような声で鳴くと、あっという間に果ててしまった。激しく上下する薄い胸板が痛々しい。中原はそこに慰めのようなキスをし、既に硬くなっている乳首に吸い付いて舌でその周りを舐めてやった後、掠れた声で友之に「どうだ」と訊いた。
「気持ち良かったか」
「変…変なの……」
「何が?」
「分かんない…。分かんないよ…っ」
  いやいやと首を振る友之に中原はそっとため息をついたが、勿論これで終わらせようとは思っていなかった。未だ混乱して息も荒くしている相手には構わず、中原は射精で汚れた友之の太股や腹を一旦手のひらで撫でてやってから、その指先を下半身へと移動させた。
「正兄…?」
「大人しくしてろ」
  仰向けになったままボー然として自分を呼ぶ友之に中原は一つ言い捨てると、また戒めようなキスをした。またその唇をどんどん喉仏から鎖骨、再度胸の突起へと移していき、舐ったり押し潰したり軽く噛み付いたりとその一点を弄りまくった。
「やあっ。正兄…痛ぁ…」
「……煩ェ」
  唇を離した隙に冷たく言った。それも本当は自分自身へ向けた罵倒だったのだが。
「お前も災難だな。俺になんか見つからなきゃ良かったのによ」
「な…に…?」
「そうしたら…。お前はこんな目に遭わなくて済んだのにな」
「あ…っ?」
  何度も撫で擦られていた内股への刺激が消え、友之は一瞬沈黙した。
「や…ひぃっ…」
  けれど直後、悲鳴が漏れる。
「あ、ああ、あ…」
「痛いか?」
  痛いに決まっているよなと自分で答えを出しながら、けれど中原は友之の中へ突き入れた指を抜こうとはしなかった。多少乱暴に何度も出し入れをしていくと、それだけで自分の方が爆発してしまいそうでいてもたってもいられなくなった。
「はぅ…っ。あ、あぅぅ…!」
「もうちっと辛抱しろ…」
  友之の発した精液だけではなかなか解れないそこへ、中原は自ら身体を屈めると指先を抜き、舌でも舐めてやった。友之が途端驚愕の声をあげて、立てた膝と共に奥の蕾をもひくつかせたが、それがより一層中原の熱を煽った。
「や…あ、あぁ…ッ。正兄っ、や、やめて…!」
「これは痛くねェだろ。気持ちイイだろが」
「や…そこやっ…あっ、あっ、ひぁッ」
「堪んない声で鳴きやがって…トモ」
  熱病患者のように浮かされた声で呟き、中原は自分という人間がとうに壊れてしまった事を意識の奥底で自覚した。それでももうそんな認識に意味はない。一旦身体を起こすとぐったりする友之の身体をごろんと転がし、うつ伏せになった相手に身体を起こせと命令した。
「正兄…」
「ああ、分かってる。けど、もう駄目だ。尻こっちに向けろ、トモ」
「こ、怖…」
「向けろ」
「………」
  有無を言わせぬ中原に友之は小刻みに震え目じりに涙を浮かばせながらも、言う通りのそのそと起き上がった。何が何やら分からぬままに四つん這いになり、尻を突き上げる格好をしてから不安そうに据わった眼の中原を顧みる。
「正兄……僕…僕…」
「喋んなって言っただろ」
「……っ」
「……泣いてろ」
  中原はじんじんと麻痺して訳の分からなくなっている頭を一度振ると、自分に尻を向ける友之の腰をぎゅっと掴んだ。そうしてその柔らかい双丘を左右に割り開くと、既に十分そそり勃った己の雄をゆっくりとそこへ突き刺した。
「ひ、あああぁっ」
  友之は勿論その所作に衝撃を受け声を張り上げた。
「やあぁッ、正兄っ! 痛、痛いよ…っ」
「くっ…さすがに、狭ェな…!」
  友之の小さな入口は中原のモノを受け入れるにはまだその準備が十分ではなかった。挿入自体は恐ろしく慎重にやったつもりだったが、相手の悲鳴と自分に掛かる圧迫感とで、さすがに眉根が寄った。
「ひんぅっ…」
  友之が苦しそうに呻く。それでも遂に一番根元まで差し入れてしまうと、中原はむしろその声を聞くまいと、友之の腰を両手で掴んだまま腰を打ちつけ、激しい抽挿を開始した。
「いやあっ、あっ、ああっ」
  小さな尻がその度に揺れ、また友之も鳴き声を漏らす。
「トモ…!」
「やぁっ…んっ、あっ、あっ、あっ」
  一度引き抜きかけたものを再度強く刺し貫く事により、その度友之からあられもない声が漏れる。堪らなかった。性器を擦る感触それ自体よりも、或いは友之の嬌声が中原の芯の部分を熱くさせた。
「あんっ、うぅ…まさ、まさにぃ…っ」
「……っ」
  涙声で自分を呼ぶ友之に中原は顔を歪めた。後ろからで顔はよく見えないが、それでも友之が泣きじゃくっているのは容易に分かるし、助けて欲しいと懇願しているのもよく分かった。そう、助けを求めているのだ。あの友之が。幼い頃は裕子たちの後ろにばかり隠れて自分の事など一切見ようとしなかったこの子どもが。
「まさにっ、正…! 痛ぁッ…あ、あぁッ!」
「悪ぃ…もう止まんねぇ…」
「やあぁッ」
「くっ……」
  友之の中に己の欲望を容赦なく叩きつけた中原は、やがてその中で最後まで達して息を吐いた。けれど、それでもまだ終わる事が出来ない。どうしても友之を放す事が出来ず、中原は性器こそ外へ抜いてやったものの、再びぐったりとした身体を仰向けにすると、すぐさま抱きしめてしつこ過ぎるキスをその唇に与えた。
「んっんぅ…」
「トモ…ホントにエロいお前…。やべえよ…」
「正…にぃ…」
「……んな目で見るな」
  何とか意識を保たせたまま名前を呼んできた友之に中原は露骨に嫌そうな顔を見せた。全く勝手な話だが、今の自分を見られたくなかったのだ。こうしてぎゅうぎゅうに抱きしめてキスをして熱っぽく見つめているのは自分のくせに。
「正兄…」
  けれど友之はそんな中原に困ったような顔をしながらも、恐る恐る片手を差し出してきた。
「な…」
  そうしてその所作に目を見張る中原に怯えながらも口を開く。
「最低じゃ、ない…」
「何…」
「正兄…。最低なんかじゃ、ない、な…から…」
「………」
  それは中原が友之を抱く前に呟いた台詞だった。

  この俺がお前にとってロクでもない最低な奴だって事を――。

  何度か言いた気にしていた事も「それ」だったのか。どっと脱力した思いがして、中原は今度は自分が石のようになって友之を見返した。
「お前に…こんな犯罪かました奴だぞ?」
「……これ…犯罪…?」
「そ……そりゃ…無理矢理だからな…」
  そんな事を本人に言わせるなと思いながらも中原がぼそりと言うと、友之はまたぐしゃりと顔を歪めて、涙を零した。
「トモ…」
「怖かった、けど…」
「ああ…悪かった…」
「違う…」
  けれど友之は中原に、今度はその浅黒い腕にそっと触れると力なく首を振った。
「けど…。でも、正兄は…? 嫌だった…?」
「はぁ…? 何言ってんだ、俺は…」
「僕のこと…嫌だった…?」
「……俺が嫌なわけないだろうが」
  むしろ凄く気持ちが良かったし、合意でなくとも満足だった。
  いつかこの子どもを力任せに組み敷いて思い通りにしてやりたい。それがいつからか中原の中で根付いた、普段の感情とは違う友之への想いだったから。友之を守っていきたい、そう思う気持ちと同じくらい、否、それ以上に強いどうしようもない願いだったから。
「なら…僕も嫌じゃない…」
  すると友之が未だ泣きべそをかきながらそう応えた。
「正兄……正兄といるの、好き、だから…」
「トモ…?」
「僕…好き、だから…っ」
「………」
  嘘つけ。
  言葉には出来なかったが、中原の頭の中にそんな単語がぽんと浮かんだ。
  お前は俺を見るといつも逃げ出しそうなほど怯えて、無口になって、石になって、俺が好きだなんて、俺といるのが好きだなんて、そんな態度は微塵も見せた事がないではないか。
  そうだ、そんな態度なんて、一度も……。
「………」
「正兄…?」
「……だから……職場、来たのか」
「え…?」
  けれど中原は気づくともうその考えを口にしていた。未だどこかでは友之の発言を力いっぱい否定しているくせに、どこかでもしかしたらとも思っていた。
  だから訊いた。
「弁当持ってきたのも、俺の職場が見たかったからか」
「……? さっき、言ったよ…。正兄の働いてるとこ見たかったって…」
「………そう、だな」
「………」
「そうだな…」
「……正兄?」
「あーっ!!」
  がりがりと頭をかきむしった中原は、不意に大声を上げるとがばりと身体を起き上がらせた。このとうの昔に混乱している頭でこれ以上ごちゃごちゃと考えても無駄だ。友之が自分をどう思おうと関係ない、そうだ結局俺は俺のやりたいようにやるだけだと、それだけを思った。
  そのはず、なのに。
「トモ」
  気づくと中原はめいっぱい脱力しながら言っていた。
「今のは聞かなかった事にしてやるから、もう寝ろ」
「……え…でも…」
「もし俺の事が好きだなんて言いやがったら、今すぐさっきより激しくヤるぞ? ヤリまくるぞ俺は? それでもいいのか?」
「やっ、やだ…っ」
「なら、寝ろ!」
「わっ…」
  傍にあったタオルケットを乱暴に投げつけると、それをもろに頭から被った友之が思い切り面食らったような声を上げた。それでも中原が「まだヤる」などと脅すものだから出るに出られないらしい。もぞもぞとタオルの中で身じろぎながらも、友之はもう中原を見上げてこようとはしなかった。
  そうして一方の中原は……最低だしロクでもないし、「俺は俺のやりたいようにやる」主義のくせに、そんな自分を信用する子どもにもうそれ以上の手出しも出来ず、未だ昂ぶり続けるムスコを宥めるのにその夜一晩苦労した。



Fin…




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