C.「ホラー」を選んだ場合。



「…・・ひゃっ」
「??」
不意に漏れた小さな声に、京一が怪訝な顔をして横を向くと。
「ひーちゃん?」
「………っ」
龍麻は画面から目を離せないでいながら、でも怖くて仕方がないという顔をしていました。
京一は暗がりの劇場の中、そんな龍麻の横顔をじっと見ました。
「ひーちゃん…もしかして怖ェの?」
「え……」
はっと京一の視線に気づいた龍麻は、思い切り罰の悪そうな顔をしてすぐにスクリーンに視線を戻してしまいました。
けれどしばらくして。
「……ちょっとだけ」
おずおずと言うその声はとても可愛いと京一は思いました。
「何だ。なら嫌だって言えば良かったのによ」
「平気だよ……うわっ!」
「ひ、ひーちゃん、しーっ!」
周りを気にして京一がたしなめると、龍麻は「ごめんっ」と俯いて赤面しました。
そして隣に座る京一の腕をそっと掴んで。
「ひーちゃん…?」
「え…あっ。悪いっ」
どうやら無意識だったようです。
京一に驚いた声を出され、龍麻は益々赤面してぱっと京一から手を離しました。
さあ、そんな龍麻に京一は?



A.「遠慮すんな!」と言って自分から手を握るに決まっとる!
B.「怖いのを忘れさせる為だ!」と言ってさわさわしまくるに決まっとる!