「異界の扉を開ける方法が載っている本」を選択した場合



 龍麻が密かに読み、研究しているのは「違う世界へ行ける魔法」でした。毎日毎日家族にいじめられていた龍麻は、自分のことを誰も知らないどこか遠い世界へ飛び立ちたいと思っていたのです。

 そして、その奇跡はある日突然訪れたのです!!
「わ…な、何…?」
 いつものように異界への本を読んでいた龍麻は、急に自分の身体が軽くなるのを感じました。そうして、まさに身体が宙に浮いて…! そして、龍麻は身体にものすごい圧力を感じながら、何かにいきなり吸収され始めたのです!!
「わ、わあああーーー!!!」
 龍麻は恐怖を感じ目をつむりました。
 そしてふっと、意識を失ってしまったのです。

 それから、どのくらいの時が経ったのでしょうか。

 龍麻がようやく瞳を開き、眼を覚ますと…辺りには見たこともない美しい景色が広がっていました。穏やかな天候に楽しそうに舞う鳥たち。温かく優しく降り注ぐ陽光。そして緑豊かな美しい池のある庭園に…龍麻は立っていました。
「どこ…ここ…」
 ぽかんとしてその場に座り込んだままの龍麻に、色取り取りの鳥たちが歌いながら龍麻の肩にとまってきました。
「ね…ここ、どこ?」
 その小鳥たちに龍麻が話しかけると。
「ここは私の庭ですよ」
 急にそう話しかけてきた人がありました。
 龍麻がびっくりして声のする方へ目をやると、そこには漆黒の髪を肩あたりにまで伸ばした、きりりとした目の美男子さんが扇子を持って立っていました。
「珍しいものですね。このようなところに客人ですか…」
「あ…あの…」
「しかしここは私の結界の中。どのようにして入り込んだのでしょうね、貴方は? いずれにしても、勝手に入られては困ります」
「あ…ご、ごめんなさい…」
 けれど龍麻もどうやって入ったのか分からないのです。オロオロとし、それでもようやく立ち上がった龍麻に、目の前の美男子さんは言いました。
「まあ見たところ、貴方は害のある人間でもなさそうです。ここへ来た理由と、ご自分の素性を明かしていただければ、私も無下なことは致しませんよ」
「あ、はい…」
「貴方のお名前は?」



 それに対し、龍麻は…?

@ 「阿師谷龍麻です」と答える
A 「貴方こそ誰ですか」と訊き返す